2011 Fiscal Year Research-status Report
ロービジョン者のための眼球運動訓練ツールの開発と効果の検証
Project/Area Number |
23650315
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴鴨 よしみ 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60362472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内田 裕 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80510578)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 障害学 / リハビリテーション / ロービジョン / 眼球運動 / フィードバック / トレーニングツール |
Research Abstract |
本研究は、ロービジョン者の残存視機能を最大限に活用して生活上の障害を最小限にすることを目指して、眼球運動測定装置を活用したロービジョン者の効率的な眼球運動のトレーニングツールを開発し、その効果を検証することを目的としている。そのために、1)ロービジョン者が物を見る行動を行う際に、残存視力に応じてどのように眼球を動かしているのかを明らかにし、その結果に基づいて、2)効率的な眼球運動のトレーニングツールを開発しその効果の検証を行う。 23年度は、健常者を対象として、提示物の探索や文章の読みにおける眼球運動の特徴を明らかにするためのパラメータを決定するための予備的実験を行った。準備作業として、いくつかの提示材料を作成(画面上の複数図形から特定の色や形の図形を探索する;画面上をランダムに移動する複数図形から特定の色や形の図形を探索する;横書き・縦書きの文章を読む)するとともに、眼球運動測定装置の使用法の講習会、解析ソフト使用法の講習会を行った。さらに、関連する先行研究の文献検索を行い、眼球運動や知覚学習に用いられる訓練方法について検討した。予備実験としては、健常者3名を対象として、上記の提示材料の課題遂行時の眼球運動の計測を行った。眼球運動測定装置と解析ソフトから得られる、アイマーク(視点)の水平及び垂直座標、瞳孔径の素データから、停留点の位置、停留時間、停留点移動速度頻度、停留点移動方向頻度などを指標として用いることとした。また、この装置のみでは画面上の対象物とアイマークとの距離が測定できないため、それを推定するための測定の工夫についてさらに検討を進めている。 これらの準備作業を経て、臨床研究計画を策定し、3月に東北大学医学系研究科倫理委員会にて承認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始時に予定していた測定装置は測定精度が不十分であることが判明し、別の装置を検討して購入を決定したため、納品までに予定よりも時間がかかった。しかし、予備的データの解析を予定通り行うことができ、倫理委員会の承認も得られたので、次年度にはこの遅れを回復できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、まず健常者10名を対象として眼球運動を測定し、さらに測定指標について検討した後、ロービジョン者6名を対象として眼球運動を測定し、比較検討を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、当初計画していた測定装置を変更に伴い実験計画が遅れたことにより生じたものであり、次年度以降に実施する眼球運動測定データ収集に必要な経費として、平成24 年度請求額とあわせて使用する予定である
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