2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23650318
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大内田 裕 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80510578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出江 紳一 東北大学, 医工学研究科, 教授 (80176239)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 運動模倣 / ミラーニューロン / 運動観察 / 脳卒中 / リハビリテーション / 重度運動麻痺 |
Research Abstract |
近年、Constraint induced therapy(CI療法)、反復促通療法、経頭蓋磁気刺激療法など脳卒中後の運動麻痺に対して効果的な療法が報告されている。しかしながら、これらの療法は、最低でも筋活動が見られ、運動感覚フィードバック情報を脳に伝える体性感覚に問題がないことが必要とされている。そのため、重度片麻痺で筋活動すら見られず、さらには体性感覚に障害が見られる場合には適応外となり,現在のところ適応できる療法が見当たらない。 そこで、本申請課題では、脳卒中による慢性期重度片麻痺患者に対して他者運動の模倣運動介入を行い、同時に他者運動と同期した運動を受動的に麻痺側上肢に与えるシステムの開発を目的とする。 初年度である今年度は、視覚提示する手指の動きと同期した運動を受動的に与えることが可能な装置を開発した。この装置は、プログラム制御のエアーコンプレッサーにより、適切なタイミングでコンプレッサーに接続しているゴム風船様の物体を膨張・収縮させる。この装置では、患者に視覚提示される手指の開閉運動を観察、模倣するように教示し、このゴム風船様の物体を患者の手掌面に装着し、視覚提示されている手指の開閉に合わせて受動的に患者の手指に同様の運動を与える事が可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画とおりに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
運動模倣介入と完成した視覚刺激連動型手指用CPMを重度運動麻痺患者に対して使用し、機器の調整と最適化を行う。対象は、上肢の筋活動が見られず感覚にも重度の鈍麻が見られる慢性期重度硬麻痺患者3名。除外基準は、MRIの禁忌、課題の理解に支障のある認知機能障害、失語症の合併とする。方法は、ヘッドマウントディスプレイ上に手指の把握動作を1人称視点で提示し、視覚刺激連動型手指用CPMを装着した麻痺側上肢で模倣運動を行う。週3回1日1時間の介入を3ヶ月間行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
患者の手掌面に装着する風船様物体を、様々な患者に対応できるように改良する。
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