2013 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオグライカンの生体内機能を利用した神経変性疾患リハビリテーションの新規開発
Project/Area Number |
23650319
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
KA 井上 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90302877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 三紀 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70191533)
ゼレド ジョージ 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (10363459)
粂井 康宏 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (30161714)
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Keywords | プロテオグライカン / リハビリテーション医学 |
Research Abstract |
生体内に広く発現する組織型トランスグルタミナーゼ(TG2)は生体構造の構築や安定化に寄与するが、様々な病態形成にも深く関与していると考えられる。最近、ヘパラン硫酸プロテオグライカン(HSPG)がアルツハイマー病やパーキンソン病といった神経変性疾患の病状や病因に重要なアミロイドで検出されている。さらに、TG2がシンデカン4 (HSPGの1種)と相互作用している事が発見された。これらの知見から、神経細胞に表現しているHSPGがTG2の機能を調節し、神経変性疾患の病状や病因に関与している可能性が考えられた。そこで、平成24年度に確立した免疫沈降のプロトコールをもとに、ラットC6グリア腫細胞から膜分画、およびHSPG-GFP複合タンパク質の安定発現株におけるTG2/HSPGの複合体の検出を試みたが、明確な結果を得ることができなかった。そこで、代替の手法としてTG2およびHSPGに対する抗体を用いて免疫染色を行ったところ、これら細胞において両方の分子が共局在していることを確認することができた。そこで、ラットC6グリア腫細胞からショ糖密度勾配超遠心を用いて膜ドメイン分画を調製したところ、同じ比重の分画にTG2およびHSPGが検出された。以上の結果から、TG2およびHSPGは同じ膜ドメイン存在する事が示唆された。さらに、OptiPrep密度勾配遠心を用いた細胞分画法により、C6細胞のどの分画にTG2およびHSPGが存在するかを確認したところ、TG2およびHSPGは共に細胞内外輸送(分泌とエンドサイトーシス)に重要な役割を果たすとされているRab11を多く含む小胞において検出された。よって、HSPGはTG2と複合体を形成し、相互作用して、神経細胞の細胞内外輸送を調節している可能性が示唆された。
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