2011 Fiscal Year Research-status Report
ガンに伴う悪液質に対する低強度・高強度運動の萎縮予防効果の検証
Project/Area Number |
23650324
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤野 英己 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (20278998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 昭彦 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (90184548)
近藤 浩代 名古屋女子大学, 家政学部, 講師 (50333183)
村上 慎一郎 姫路獨協大学, 医療保健学部, 講師 (30454763)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 悪液質 / サイトカイン / 筋特異的リガーゼ |
Research Abstract |
本研究では、ガンによる悪液質を予防するための至適運動の開発、その運動効果と作用機序を解明することが目的である。特に運動による炎症性サイトカイン(腫瘍壊死因子(TNF-α)、IL-6)の変化に焦点をあて、ガンで誘導される因子、骨格筋萎縮の調節因子(筋特異的ユビキチンプロテアソーム系)、その他、レギュレータとなる主要因子を分子生物学的に解析し、ガンの悪液質に対する運動療法の効果を検証する。本年度は、筋萎縮に対する運動の効果検証する実験を行い、TNF-αやIL-6の変化について検証を行った。同時に悪液質のモデルとして、リポ多糖(LPS)を用いたモデルで運動の効果の検証や、Colon-26 Adenocarcinoma 細胞移植のための細胞培養を行った。特に筋萎縮に対する運動がTNF-αの減少を誘導し、プロテアソームのレギュレータとなる骨格筋特異的リガーゼAtrogin-1の低下も観察された。この研究の成果については、国際英文紙に投稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
筋萎縮における炎症性サイトカインのTNF-αが、筋萎縮のリガンドとなり、筋特異的リガーゼのAtrogin-1活性を上昇させることを検証し、運動がTNF-αを低下させ、Atrogin-1活性を抑制した結果を得た。この結果から、運動がTNF-αを抑制することが検証できたため、リポ多糖(LPS)で悪液質を誘導して、運動がTNF-αを抑制することが可能かを検証した。また、Colon-26 Adenocarcinoma 細胞の移植によるガンモデルを作成する準備を行った。全体的に計画より少し遅れているが、確実に成果が出ていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
運動による効果が検証できているため、特にLPSによる悪液質誘導モデルやColon-26 Adenocarcinoma 細胞の移植によるガンモデルによる実験を中心に行っていく。また、共同研究者及び大学院生の連携体制も整っているために、共同研究者及び大学院生の協同により研究を推進していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
LPSによる悪液質誘導モデルやColon-26 Adenocarcinoma 細胞の移植によるガンモデルの作成、バイオマーカーとして、TNF-α、Atrogin-1等の因子の分析を中心に研究費を使用する。また、得られた結果を公表するための発表費として使用する。
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Research Products
(22 results)