2012 Fiscal Year Annual Research Report
運動イメージによる運動機能改善効果―大脳皮質脳活動バイオフィードバックの応用
Project/Area Number |
23650325
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松川 寛二 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 教授 (90165788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮口 英樹 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 教授 (00290552)
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Keywords | リハビリテーション / 運動イメージ / 脳活動 / バイオフィードバック / 運動機能の改善 |
Research Abstract |
1) パーキンソン病疾患など運動失調の進行と共に随意運動は困難となるが、前以て身体空間や動作に関する運動イメージを獲得すると一時的に運動失調が減少すると言われている。そのため運動イメージと関連する大脳皮質脳活動を可視化できれば、効率的なリハビリテーションを実践できると考案し、本研究を推進した。昨年度に開発した動作分析・循環応答解析システムを用いて、健常者や運動失調者に対する上肢運動機能検査を実施した。上肢動作分析用にビデオ撮影および筋電図のテレメータ記録を行った。また心電図、動脈血圧、心拍出量、筋血流量等を連続記録し循環応答を解析した。さらに、近赤外分光装置を用いて大脳皮質全体または前頭前野の局所酸素化ヘモグロビン動態(Oxy-Hb)を記録した。Oxy-Hbは組織血流量に比例し間接的に脳活動を反映すると考えられている。 2) 大脳皮質前頭前野の脳活動は単純なハンドグリップなど上肢運動には殆ど反応しないが、その運動イメージ中には増加することを観察した。また前頭前野脳活動の大きさは運動イメージの主観的な鮮明度と相関する傾向を持っていた。対照的に、一次運動野など運動関連領域は上肢運動には反応したがその運動イメージには殆ど反応しなかった。以上の結果から、大脳皮質前頭前野の脳活動を用いて運動イメージを可視化できることが示唆された。さらに上肢運動の動画を視覚フィードバックすることで運動イメージの鮮明度は向上したので、前頭前野脳活動がその場合にはより増加すると期待された。 3) 運動イメージの臨床応用として、パーキンソン病患者を対象に、上肢運動の筋収縮を意識させるような運動イメージを取り入れたダンスを実施しその効果を検証した。ダンス後には手のメンタルローテーション課題に対する反応時間は有意に短縮したので、運動イメージにより形状認知機能が改善された可能性がある。
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Research Products
(19 results)