2011 Fiscal Year Research-status Report
運動ニューロンの網羅的発現遺伝子解析によるリハビリテーション効率の定量化
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23650327
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡田 誠司 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30448435)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 運動ニューロン / リハビリテーション / 網羅的遺伝子発現解析 |
Research Abstract |
中枢神経運動ニューロンを選択的に解析するため、細胞質より核のみを抽出して運動ニューロン選択的な転写因子を指標としたFACS Aria2による核ソーティングを行なった。この結果、首尾よく運動ニューロンの核のみを抽出可能であったが、GAPDH含めた発現遺伝子解析を行なったところ核内の新生mRNA含有量が極端に少なく、リハビリ前後での発現遺伝子変化の検出は困難であると考えられた。そのため、細胞全体の回収が必要と考え、まずは選択的な細胞回収方法の確立と網羅的発現遺伝子解析を試みた。レンチウイルスにてGFPを発現させた神経細胞を中枢神経系に移植し、移植後7日後に生着細胞の回収を行なった。その結果、細胞のviabilityを保ったまま数万個オーダーの細胞が回収出来、バイオイメージングによる回収効率は90%以上であった。回収した細胞からmRNAライブラリーを作成し、ギガシークエンサーにて発現遺伝子の解析を行なったところ、2500万個以上のタグのリーディングと12000種類の発現遺伝子の定量化が可能であった。また、動物モデルのリハビリテーションに関しては、国立リハビリテーションセンターとの共同研究によりラット脊髄損傷モデルでの強制二足歩行モデルを立ち上げ、リハビリ訓練前後でのサンプル採取が可能となった。具体的な発現遺伝子からのリハビリを定量化する因子の絞り込みに関しては、まずリハビリ前後での発現遺伝子変化を転写因子結合部位解析等で行なう予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスならびにラット対麻痺モデルの強制二足歩行リハビリモデルを確立し、目的細胞の選択的回収法ならびにギガシークエンサーを用いた網羅的発現遺伝子解析に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞の回収法に加えて、より解剖学的に選択的な解析のために、レーザーマイクロダイセクションを導入した。そのため、特定の部位の運動ニューロンでの発現遺伝子解析が可能になるものと見込んでいる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
網羅的遺伝子発現解析試薬とレーザーマイクロダイセクション用のプレパラートを消耗品として使用予定。旅費や人権費の計上は予定していない。
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