2011 Fiscal Year Research-status Report
オシレーション法を用いた重症心身障害児(者)の呼吸換気メカニクスの検証
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23650331
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
森 直樹 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (40325949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒澤 一 東北大学, 学内共同利用施設等, 教授 (60333788)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 日本 |
Research Abstract |
平成23年度挑戦的萌芽研究の結果について以下に報告します。(1)総合呼吸抵抗機能検査についてはImpulse Oscillation System(IOS)を用いて総合呼吸抵抗測定検査を施行し、呼吸インピーダンス(Zrs)及びその成分でもある呼吸抵抗(Rrs)、呼吸リアクタンス(Xrs)を測定した。また、得られた波形から呼吸周期依存性(呼気、吸気の抵抗変化)を評価した。その結果、重症心身障害児(者)4名の呼吸抵抗(Rrs)は健常者に比べ統計高くなる傾向を示した(対象者が少ないため、統計的な見解は示せず傾向を示した)。(2)胸郭・脊柱変形について(全脊柱正面X-P写真より)は対象者4名の脊柱側彎変形評価を行った。その結果、脊柱側彎角はcobb角25±10°であった。脊柱側彎右凸、胸腰椎カーブが多かった。脊柱回旋変形はNash & Moe法より椎体の回旋度評価はgrade2±0.5であった。胸郭前後径・横径等を計測し、脊柱側彎・回旋変形との関連性について検討したところ対象者が少なく統計的な見解を示せないですが、胸郭前後径が小さく横径が大きいほど、すなわち胸郭扁平なほど、一回換気量は低値を呼吸数は増加する傾向を示した。重症心身障害児(者)における呼吸機能障害の病態についてIOS法を用いて検証した報告はなく、また安静換気を測定できるため、有用な測定法であると考えます。次年度は、より対象者数を増やし、検証を進める予定です。課題としては気管切開をしている対象者が多いため、対象者が限定されることがあげられる。気管切開を施行されている対象者に、直接カニューレから呼吸抵抗測定が可能か否かを検証し、可能であればモストグラフと呼吸機能測定を行うためのカニューレ接続用アダプタの作成を検討する予定です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度の研究進捗状況について報告します(1)脊柱変形評価については脊柱側彎変形と脊柱回旋変形を指標とし、脊柱側彎変形は、全脊柱正面X-P写真よりCobb法を施行し、脊柱回旋変形はNash & Moe法より椎体の回旋度を評価を施行した。対象者の測定については当初予定していた人数を実施することができた。(2)呼吸抵抗測定検査(MostGraph-01, チェスト社製)を用いて、呼吸インピーダンス(Zrs)及びその成分でもある呼吸抵抗(Rrs)、呼吸リアクタンス(Xrs)を測定し、呼吸周期依存性(呼気、吸気の抵抗変化)を評価しました。しかし、対象者が少なく難渋した。平成24年度は多くの対象者を評価できるように、他病院・関係機関との調整を行う予定です。その理由として、気管切開をしている重症心身障害児(者)の増加し、カニューレから呼吸機能測定が現段階では難しいことがあげられる。直接、カニューレから呼吸機能測定が可能か否かを検証し、可能であればモストグラフと呼吸機能測定を行うためのカニューレ接続用アダプタの作成を検討する予定です。(3)東日本大震災に伴い研究開始時期、倫理委員会開催が延期されが、研究を行うための初動が遅れた。また、上述のことが影響して関連諸機関との研究依頼および研究
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究推進方策については、平成23年度同様に重症心身障害児(者)の呼吸機能障害の病態を把握する目的で、総合呼吸抵抗測定検査を施行し、呼吸インピーダンス(Zrs)及びその成分でもある呼吸抵抗(Rrs)、呼吸リアクタンス(Xrs)を測定し、呼吸周期依存性(呼気、吸気の抵抗変化)を評価します。しかし、呼吸運動パターン解析するためのビデオにて録画し呼吸・運動パターンを試みたが、うまく評価できず施行実施が出来ていない現状です。 平成24年度については呼吸運動パターンを測定するためにソフトとしてBIMUTAS-Video(ビムタスビデオ,キッセイコムテック社製)を用いて、動作の負荷を筋電図により評価する予定です。 筋電図などの生体信号とデジタルビデオカメラからの動画像を、オフラインで同期させ、表示・解析します。安静時呼吸についてはスパイロメトリーを用いて一回換気量、呼吸数、分時換気量等の測定したがより精度の高い呼気ガス分析装置を用いて解析する予定です。なお、平成23年度の僅かな残額については平成24年度当該研究の必要消耗品の購入にあてる予定です。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究費使用計画については以下の通りです。(1)重症心身障害児(者)の呼吸機能を測定するために総合呼吸抵抗測定器具(MostGraph-01, チェスト社製)をレンタルする。レンタル費用として1カ月×100,000円で3カ月間使用するため300,000円を研究費支出を予定しています。また、モストグラフと呼吸機能測定を行うためのカニューレ接続用アダプタの作成を検討する予定です。(2)重症心身障害児(者)施設北海道療育園にて上述した対象者の呼吸測定を行うための旅費及び謝金をとして研究費支出を予定しています。(3)本研究を進めるための情報収集として学会・講習会(日本呼吸ケア・リハビリテーション学会、日本小児神経学会等)の参加・発表を予定しています。(4)その他、研究に必要な消耗品などを考えています。
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