2013 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者、障害者のスキューバダイビングにおける循環生理学的研究
Project/Area Number |
23650332
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
伊佐地 隆 帝京大学, 医学部, 准教授 (80193233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 千穂 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (30569603)
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Keywords | 障害者 / 高齢者 / スキューバダイビング / 循環生理学 / 高圧環境 |
Research Abstract |
スキューバダイビング(SD)時の循環生理学的指標の変化から、その安全性と限界の指標を確立することを目標に基礎データを得ることを目的とした。 24年度までの測定に引き続き、25年度は、4月沖縄で健常者(S)1名、障害者(D)2名、高齢者(A)2名、6月伊豆でA2、7月沖縄でD2、10月館山でA2、11月天草でS1、A1、沖縄でS、D、A各1、12月沖縄でS1、A1の計18名の測定をした。Sの内訳は50代女性2、40代、60代男性各1で、Dは50代女性脳性麻痺1、50代男性脊髄損傷1、40代男性筋疾患1、60代女性脳梗塞1、60代女性膝障害1であった。研究3年間でのプレテスト3名を除く被験者はのべ35名(データが得られたのは31名分)である。内訳はS13(12)、D13(10)、A9(9)であり、計画の25名を超える測定ができた。合併疾患は高血圧4名、糖尿病2、脂質異常症3であった。 2本のSDを含む1日の心電図、血圧、酸素飽和度を測定した。心電図では、心室性、上室性期外収縮の一方または両方がみられたが、SD時に多い傾向はなく、日常生活場面と同程度に出ていた。心拍数はSD時に特別な数値を示す例はなく、睡眠時に最小を、日中活動時に最大を記録する傾向があった。血圧はSD時に高値を示した。血圧の最大値はSD時、最小値は睡眠時に記録された。酸素飽和度は日常生活時よりもSD時の方が安定して高い値を示す傾向がみられた。深度と心拍数、収縮期血圧は負の相関、酸素飽和度は正の相関があった。時間との明らかな関係はなく、どの指標も深度、時間を含むSDプロフィールとの関係が推測された。D、AとSとの間に特別な違いはなかったが、全介助SDの場合には通常のSDと異なる傾向があった。 初めての系統的なSD時のデータで、すべて新しい知見である。SDによる変化は血圧以外日常生活時の変化の範囲内であった。
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