2011 Fiscal Year Research-status Report
免荷式歩行訓練のためのアキレス腱張力の非侵襲計測システムの開発
Project/Area Number |
23650336
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 紳一郎 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (30327762)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 免荷式歩行訓練 / 脊髄損傷 / トレッドミル歩行 / ニューロリハビリテーション / 神経生理学 |
Research Abstract |
これまでの神経生理学的研究の知見から,脊髄損傷の歩行機能回復訓練には股関節可動域増大とアキレス腱への負荷刺激が最も重要であることが提唱されている.申請者らは,平成21 年度から「ニューロリハビリテーションに着目した水陸両用歩行訓練システムの開発」(基盤研究B)を進めており,脊髄損傷者や脳卒中片麻痺者等の運動機能障害者の歩行機能回復訓練のためのシステム構築を目指しているが,免荷式歩行訓練中のアキレス腱張力を計測できないことが問題となっている.アキレス腱にかかる負荷(腱張力)を歩行訓練中に計測することは困難であるが,安価で非侵襲な方法でアキレス腱張力を計測できれば,今後の運動機能障害者の歩行訓練に有益な計測手法となる.したがって,本研究の目的は,免荷式歩行訓練において,非侵襲的にアキレス腱張力を推定することができる計測システムを開発することである. 平成23年度は,腱張力を皮膚上から推定できるか検証し,その結果をもとにデバイスの設計製作を開始し,そのデバイスの較正方法について検討を進めた.当初開発したデバイスは,アキレス腱を挟み込むタイプのデバイスであり,張力発生時にアキレス腱の形状変化からアキレス腱張力を推定する方式であった.しかしながら,計測精度が不十分であり,今後,再設計する予定である.また,上記のデバイスとは別に,足底に力センサを取り付け,得られる圧力中心からアキレス腱張力を推定するタイプのデバイスの開発も進めた.その結果,まだアキレス腱張力を推定できる完成度には至っておらず,次年度の研究課題となっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要にも記載したとおり,アキレス腱張力デバイスの開発は,2種類のデバイス開発で進めているが,どちらも精度の高い計測ができていない状況であり,再設計が必要である.平成24年度には,新しいアイディアを取り入れ,再設計し,新たなデバイスを製作する必要がある.したがって,当初に予定していた実施計画では,平成24年度には立位時と歩行時のアキレス腱張力の計測実験を行う予定にしていたが,計測実験を実施できる状況にはなく,期待された研究成果があがっていない.したがって,達成度は,やや遅れている状況にある.
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Strategy for Future Research Activity |
上記の達成度のとおり,やや研究開発の進捗は遅れている状況にある.平成24年度は,平成23年度に開発した2種類のデバイスとは別に新たなアイディアを取り入れたデバイスの設計開発に取り組む.また,超音波画像診断装置を用いた正確な較正方法の確立も同時に目指す.このシステム開発が成功すれば,平成24年度末までに,当初の研究実施計画の予定どおり,立位時およびトレッドミル歩行時のアキレス腱張力の非侵襲計測を試み,その成果の研究発表を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の達成度のとおり,やや研究開発の進捗は遅れている状況にあり,計画通りに予算執行もできなかったことから,平成24年度への繰越予算が生じている.平成24年度の研究費は,主として新たなシステム開発の費用(物品費および人件費)に充当する.また,計画通りの計測実験が実施できれば,その研究成果の報告には国内および国際学会発表を予定しており,その費用にも支出する予定である.
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Research Products
(1 results)