2011 Fiscal Year Research-status Report
マウス用筋力測定装置の開発による筋萎縮に対する運動療法効果の科学的検証
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23650339
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
平野 孝行 名古屋学院大学, リハビリテーション学部, 准教授 (10440661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 佑太 名古屋学院大学, リハビリテーション学部, 助手 (30454383)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | リハビリテーション科学 / 運動療法学 / 動物 / 骨・筋肉 / 筋肉生理学 |
Research Abstract |
萎縮筋に対して筋力増強運動を行った時の組織学的な変化と、理学療法にとって重要な筋力との関係は不明であり、筋力増強運動による効果が筋力にどう反映されているもわかっていない。そこでまず、平成23年度には、マウスの筋力を経時的に測定するため、マウス用の足関節底屈筋力測定装置の開発に着手した。 まず、これまでにラット用に開発してきた小動物用足関節運動装置を小型化し、マウスに適応できるよう足底板、設置台、固定用ベッドの大きさを修正した装置を作製した。更に、等尺性筋力測定だけを目的としているため、これまでの装置構成からステッピングモーターを取り除き、トルク測定に特化したモデルにマイナーチェンジした。トルクセンサーはマウスの小さいトルク値にも対応できるよう測定値の最小分解能が高いものを採用した。これによりマウス足関節用にトルク測定が可能になった。 次に、マウス用の表面皿電極を開発した。マウスの下腿に接着できるように、接触面の直径が1 mmの皿電極を作製し、粘着性のあるゲル媒材および粘着性テープで下腿後面の体表面上に2か所貼付できるようにした。 電極は、マウスの下腿後面の皮膚上で下腿三頭筋の筋腱移行部およびそこから6 mm近位の部位に貼付した。そして、electronic current 5 mA、duration 1 ms、train duration 650 msの電気刺激により筋活動が発揮されることを確認した。更に、40~140Hzの異なる周波数で電気刺激し、周波数100 Hzの時に最大トルク値を得られることがわかった。 この条件で、時間隔をあけ同一個体を複数回測定したところ、個体内の良好な再現性を得ることができた(8~10mN・m)。しかし、個体間で比較すると測定値のばらつきがあるため、各個体の筋の組織学的状態と照らし合わせ、本装置での筋力測定の精度を検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発に期間を要すと考えられた、トルク測定装置やマウス用の極小電極の作製が順調に進み、足関節の底屈筋力を発揮させる電気刺激条件を検討するまで進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の結果を進展させ、健常なマウスにおける筋力測定方法、条件を確立させる。そして、病態を持った筋を持つマウス、またそこから回復過程にある筋を持つマウスの筋力変化を、筋の形態的、組織学的変化と照らし合わせて解明していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定額使用後に受け入れ口座の利息が発生したため、次年度使用額21円が発生した。この研究費は、平成24年度における物品購入時の振込手数料に充当する。
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Research Products
(2 results)