2012 Fiscal Year Annual Research Report
マウス用筋力測定装置の開発による筋萎縮に対する運動療法効果の科学的検証
Project/Area Number |
23650339
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
平野 孝行 名古屋学院大学, リハビリテーション学部, 教授 (10440661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 佑太 名古屋学院大学, リハビリテーション学部, 助教 (30454383)
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Keywords | リハビリテーション科学 / 運動療法学 / 動物 / 骨・筋肉 / 筋肉生理学 |
Research Abstract |
筋萎縮を起こした筋に筋力増強運動を行うと、筋線維の太さや数の回復が大きく促進される。また、その回復には、筋力増強運動を開始してから一定の時期に起こる未分化な細胞の分化が関与することが示唆されてきた。このように、筋力増強運動による萎縮した筋の組織学的な変化は明らかになりつつある。しかし、これらの変化と、リハビリテーションにとって重要な筋力との関係は不明であり、筋力増強運動による効果が筋力にどう反映されているもわかっていない。 そこで本研究は、筋萎縮からの回復過程において非観血的、経時的に筋力を評価できるようにするため、マウス用の足関節トルク測定装置を開発した。本装置は、半径1 mmの特注皿電極を介した電気刺激による筋収縮を生じさせたときの足底にかかる力をセンサーで記録し足関節最大底屈トルクを算出できる。この装置を用いて正常なマウスの足関節最大底屈トルクを測定すると、標準偏差1.07 mN・m、変動係数11% の結果が得られることを確認した。さらに、筋萎縮からの回復過程における電気刺激時の足関節トルクの変化を測定したところ、尾部懸垂によって筋萎縮を起こすと筋力が低下し、その後の筋力増強運動による回復過程で筋力が回復してくる様子が観察できた。しかし、この足関節最大底屈トルクの変化値と筋腹や筋線維横断面積の組織学的回復との相関関係はすべての足関節底屈筋で必ずしもなかった。 筋のタイプの別を考慮し、今回用いた方法と個々の筋を個別に測定する観血的な方法とをうまく組み合わせて検証する必要があるかもしれない。ただし、本装置を用いることにより、筋萎縮やその回復過程でのトルク変化を経時的に評価できることが分かった。本装置は、同一個体における経時的な筋力評価に有用であると考える。
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Research Products
(2 results)