2011 Fiscal Year Research-status Report
加齢による血管退行とサルコペニアに対する運動療法の効果
Project/Area Number |
23650340
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Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
村上 慎一郎 姫路獨協大学, 医療保健学部, 講師 (30454763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 英己 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (20278998)
藤田 直人 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (90584178)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | サルコペニア / 筋線維 / ミトコンドリア活性 / ミオシン |
Research Abstract |
本研究は,長期間のコンディショニングエクササイズが,サルコペニアに伴う筋細胞,筋毛細血管,および横行細動脈の加齢性退行に対してどのような影響を与えるかを明確にすることを目的とし行っている.平成23年度は,9週齢のラットの有酸素と無酸素運動の赤筋とは筋の,筋および筋毛細血管に与える影響をコントロール群と比して,観察した.有酸素運動と無酸素運動の処方は,ラット用トレッドミルを用いて,運動前と後ろの血中乳酸値によって決定された.筋肉は,ヒラメ筋(タイプIとIIAで構成される)赤筋と,長母趾伸筋(タイプI,IIA,IIB,および,IId/Xで構成される)ほとんどは筋である2筋を選択した.赤筋では,有酸素運動の処方で,タイプI線維のコハク酸脱水素酵素活性の活発化が認められ,毛細血管密度が増加した.しかし,筋線維の断面積は変化がなかった.無酸素運動を処方では,タイプI線維の筋横断面積の増大,タイプIおよび, IIA線維のコハク酸脱水素酵素活性の活発化および,毛細血密度が増加した.一方,白筋では,有酸素運動の処方で,タイプI線維の筋横断面積が増加した.コハク酸脱水素酵素活性は,タイプI,IIA,および,IID/Xで増加した.毛細血管密度も増加した.無酸素運動の処方では,コハク酸脱水素酵素活性は,タイプI,IIA,IIbおよび,IID/Xで増加した.また,長母趾伸筋内での,PGC-1aと,Flk-1の増加が認められた.しかし,VEGFの増加は認められなかった.これらの結果は,若年者の運動に対する筋および筋毛細血管の反応を示している.24年度に行う長期コンディショニングエクササイズ処方ラットと比して違いを見出すことにより,若年と高齢の運動療法の筋および毛細血管に対する効果を見出す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SDラットを用いて,若年期の筋毛細血管,および,筋線維の有酸素運動および,無酸素運動に対する効果を検証した.若年期における運動の効果を,筋線維タイプ別に検証できた.有酸素運動および,無酸素運動,ともに,筋線維のミトコンドリア活性が増加していた.二次元で観察した毛細血管密度は,赤筋で増加していたが,白筋では増加していなかった.共焦点レーザー顕微鏡で観察した,毛細血管構築像は,有酸素運動または,無酸素運動を処方されたラットの,赤筋では毛細血管,および,吻合ともに増加して密に構築されていた.また,毛細血管径の拡大が認められた.一方,白筋では,吻合,および,毛細血管ともに,有酸素運動,または,無酸素運動を処方されたラットに,数の増加は認められなかった.しかし,毛細血管系の拡大が認められた.結果,有酸素運動,および,無酸素運動を処方されたラットの,赤筋,および,白筋に毛細血管流域領域の増大が認められた.この,結果と高齢期の運動を処方されたラットとの比較により,研究が達成される予定である・
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Strategy for Future Research Activity |
ラットの高齢期に当たる2週齢と7週齢から運動療法(ラット用トレッドミルで種1階分速15m,1時間,1回/週の処方)を行ったラットから,検体を摘出し,ヒラメ筋(赤筋),および,長趾伸筋(白筋)の,酸化ストレス,筋組織(ミオシン)の観察,ミトコンドリア活性(酸化酵素活性),RNAの発現,毛細血管構築等を検討する予定である.血清の分析も行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
酸化ストレスや,筋組織(ミオシン)の観察,ミトコンドリア活性(酸化酵素活性),RNAの発現などの観察主に行う費用が主であり,そのための,解析用の試薬,チューブ,抗体等の消耗品に使用される予定である.また,成果の発表に使用される.
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