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2012 Fiscal Year Research-status Report

廃用性萎縮筋の筋線維構造と筋細胞外環境の統合的解析

Research Project

Project/Area Number 23650343
Research InstitutionHiroshima International University

Principal Investigator

清水 壽一郎  広島国際大学, 保健医療学部, 教授 (80294403)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中島 正光  広島国際大学, 保健医療学部, 教授 (20198097)
小澤 淳也  広島国際大学, 保健医療学部, 准教授 (00435059)
Keywords単離骨格筋細胞 / 収縮蛋白 / 廃用性萎縮 / Passive Stiffness / 細胞内カルシウム計測
Research Abstract

ラット廃用性萎縮骨格筋についてメカニクスの測定及び心筋細胞内カルシウム濃度測定を行い、正常骨格筋との比較についての検討を行っている。単離した骨格筋を培養液で初代培養し生存を確認した後、原子間力顕微鏡にて骨格筋細胞のPassiveStiffness計測を行っている。これは、原子間力顕微鏡のカンチレバーを単離骨格筋細胞に接触させ、さらに押し込んでいった際にカンチレバーが撓むことを利用し、細胞の外力による変形性を知ることができる解析方法である。カンチレバーの撓みが大きければ細胞が柔らかいと言うことを示し、撓みが小さければ細胞内の細胞骨格やその他の細胞内小器官、収縮蛋白などが密に存在している可能性を示す。この解析により、正常および廃用性萎縮骨格筋単離細胞のPassiveStiffnessを計測したところ、まだ結論を出すには至っていないが、正常骨格筋細胞より廃用性萎縮骨格筋細胞で細胞が柔らかい可能性が示されている。ただし、廃用性萎縮により単離骨格筋細胞の短径が極端に小さくなっているような細胞では、逆にPassiveStiffnessが増大しているような例も多く、骨格筋細胞の短径や、あるいは別の指標によりPassiveStiffnessを補正する必要があると考えられる。また、廃用性萎縮期間を統一しても、骨格筋細胞の短径は大きく異なることが多く、萎縮期間に加えて廃用性萎縮を定量的に評価する指標を確立する必要がある。
単離骨格筋細胞におけるカルシウム計測については、蛍光カルシウム指示薬の負荷に時間がかかることから細胞の生存率が低下しやすいこと、測定時の筋収縮により蛍光カルシウム強度の分布にばらつきが生じることなどから、これらの問題を解決する方法を模索している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

骨格筋細胞の単離法の確立に時間を要しており、安定した測定に向けて改善を続けている。また、廃用性萎縮した単離骨格筋細胞のPassiveStiffness解析における、骨格筋細胞短径の違いによるStiffnessの違いについて、その評価法の確立を行う必要がある。単離骨格筋細胞自体がデリケートであるため、様々な計測を同時に行うことが困難であり、計測法の効率化を図る必要がある。これらの理由から、単離骨格筋細胞の発生張力測定にはまだ時間がかかると考えられ、その代替手段を確立するために電気刺激による強縮状態の細胞短縮率の比較などを検討している。

Strategy for Future Research Activity

まず、単離骨格筋細胞初代培養の安定性確保に努力する。これによりPassiveStiffness解析や骨格筋細胞カルシウム濃度測定についての結果の精度を確保することが可能となる。単離骨格筋細胞のPassive Stiffness解析における、細胞径の違いによる評価法の確立について、まず正常な骨格筋細胞における細胞径とPassiveStiffnessとの関係を明らかにし、次いで廃用性萎縮骨格筋について廃用となってからの期間により細胞レベルの萎縮程度を様々に変化させた場合の細胞径とPassiveStiffnessの関係が、正常骨格筋細胞のそれと連続な外挿可能な関係であるのかを確認する。
骨格筋細胞カルシウム濃度測定については引き続き遂行し、安定した測定精度の確保に注力する。
骨格筋組織の発達過程に関する測定も開始する。新生児骨格筋は成体の骨格筋と比べて結合線維の発達が未熟であり、また、筋線維六角格子構造の発達も未熟であると思われる。この段階からの骨格筋細胞の発達過程を、構造学的に追跡すると共に、Passive Stiffness及び骨格筋細胞カルシウム濃度についても解析を行う。さらに、新生児期に片側腱損傷あるいは坐骨神経損傷モデルを作成し、無負荷筋組織もしくは静止張力負荷筋組織の発達について筋線維六角格子構造の発達などについての評価を行い、可能であればPassiveStiffness解析、骨格筋細胞カルシウム濃度解析についても実施し、骨格筋組織の発達過程において廃用にいたるタイミングがその後の筋組織の発達にどのような影響を及ぼすかについての解析を行う予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度は実験用消耗品、実験動物の購入に充てるほか、一部の成果について成果発表のための旅費として使用する予定である。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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