2013 Fiscal Year Annual Research Report
使いやすい福祉用具開発を目的としたユニバーサルデザインの概念の数理モデル化
Project/Area Number |
23650351
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
川中 普晴 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30437115)
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Keywords | ユニバーサルデザイン / 3次元ポリゴンデータ / 把持特徴の抽出 / 可視化 |
Research Abstract |
平成25年度は,ユニバーサルデザインの数理モデル化のための特徴量について検討するとともに,把持体データの収集,得られた特徴量を活用してプロトタイプモデルを製作するためのプラットフォームを構築した. 本研究では,株式会社バンザイ・ファクトリーから提供された「我杯」の制作に用いられた3次元ポリゴンデータを研究材料として使用した.本年度は, 平成24年度にて検討した把持傾向分析のための特徴量をさらに改良し,13次元の新しい特徴量を数理モデル構築のために用いた.各把持体データから上記の特徴量を抽出し,階層的クラスタリングを用いて把持傾向の分析を行った.さらに,各指の指節(末節,中節,基節)領域の部分を楕円オブジェクトとして近似し,(1)各オブジェクトの中心点と両端点により得られる各指の3次元形状,(2)各指節にかかっている把持力の向きと分布を,3次元データとして可視化する方法についても研究を進めた.研究成果から,各指各節の位置関係や力のかけ具合,把持力の方向がどのような分布となっているのか等,各ユーザの「握り」の特徴分布を視覚的に把握できるとともに,得られた知見をユニバーサルデザインの数理モデルやプロトタイプの製作に反映させることが可能となった.また今年度は,各ユーザが把持体を握る時に生じる「握り方」の違い(把持特徴量のばらつき)についても検討した.本研究では,各ユーザに同一の把持体を数回握ってもらう実験を行い,その把持傾向についても検討した. さらに本研究では,これらの研究成果を活用して,プロトタイプを製作するためのシステムの構築も進めた.本課題ではまず,PLA融解型の3Dプリンタを用いて切削用のケミカルウッドを固定するための持具を独自に開発した.また,切削材をコップの形状に削り出すためのCADシステムの開発も行った.
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Research Products
(6 results)