2013 Fiscal Year Annual Research Report
有床義歯のウェアラブルセンサー化による健康管理システム
Project/Area Number |
23650352
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
村山 長 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (60219946)
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Keywords | 医療・福祉 / 生体生命情報学 / 計測工学 / ウエアラブルセンサー / 健康管理 |
Research Abstract |
本研究は,高齢者の多くが着用している有床義歯(入れ歯)に超小型センサーを埋入することにより,高齢者の口腔内の生体情報を常時計測するシステムの実現を最終的な目標とする.この目標を達成するため,本研究では,まず,加速度センサーと温度センサーのそれぞれを埋入した口蓋床(有床義歯で,人工歯のない床だけのもの)を義歯床用レジンで製作した.次に,口蓋床を用いて以下の実験を行った. ・温度センサーを埋入した口蓋床を45℃の湯と17℃の水に交互に浸した.この時の温度変化を計測した. ・加速度センサーを埋入した口蓋床を用いて,様々な動作(咀嚼,歩行,転倒など)を行った際の加速度を計測した. 以上の実験の結果,次のことが分かった.まず,温度センサーにより,湯や水に浸すことによる温度変化を計測できた.このことより,体温の計測だけでなく,食事を取っているかどうか(たとえば,熱い茶を飲んでいるかなど)の判断も可能と考えられた.また,加速度センサーにより,歩行,転倒,咀嚼のそれぞれの動作に対して特徴的な加速度のパターンが計測された.このことから,加速度センサーにより,動作や異状の識別が可能と思われた.平成25年度は,加速度センサーにより計測したデータから,咀嚼,歩行,転倒など動作を自動的に推定する方法を検討した.当初は,市販のニューラルネットワークのソフトによりこの推定を行う予定であったが,データの受け渡しに問題があることが分かり,自動推定のためのプログラムを独自に開発した.このプログラムでは,種々の動作に対する特徴的な加速度のパターンをもとに推定するものであり,実際に推定を行い,その有効性を確認した. 以上と並行して,ウエアラブルセンサーや生体情報計測の最近の動向も,学会などに出席し,調査した.
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