2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23650361
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
都築 和代 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究グループ長 (70222221)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ヒートショック / 季節 / 高齢者 / 室内温熱環境 / 皮膚温 / 血圧 / 温冷感 / 脱衣室 |
Research Abstract |
実施計画通り、実験Iでは実験に同意を得られた健康な被験者に高齢男性8名(68.0±4.7 歳)のデータを収集した。実験IIでは、実験に同意を得られた健康な高齢男性6名(68.7±4.5 歳)、高齢女性6名(65.5±3.3 歳)、青年男性6名(24.0±3.6 歳)を被験者に採用しデータを収集して年代と性別で比較した。実験条件は気温10℃の環境で暖房器具の暖気運転を20分間実施し、平均放射温度はカーボンでは高さ50cmで27℃、セラミックでは19℃、カーペットでは13℃となり、どの条件も大きな上下温度差を示した。暖房なしでは11℃から退室時には14℃に上昇した。被験者の平均皮膚温は、約11℃の廊下を通る際は着衣しているものの約1℃低下し、脱衣室に入るとカーボンでは上昇を始めたが、他の3条件は暴露時間中低下し続けた。最高血圧は脱衣室において有意に上昇し、青年よりも高齢男女の方が有意に高くなったが、高齢男女間では有意な差が無かった。高齢群では暖房条件間に有意な差はないが、青年ではカーボンはカーペットと暖房無しに比べ有意に低い最高血圧になった。青年と高齢女性は高齢男性よりも脱衣室において暖かい側の申告となった。カーペットと暖房なしで有意な差は無く、それら2条件よりもカーボンとセラミックで有意に暖かく感じていた。非許容割合は前室では0%で、脱衣室では高齢男性が高齢女性や青年よりも有意に非許容割合が高くなったが、高齢女性と青年との間には有意な差はなかった。また、カーボンが他の条件に比べて有意に低くなった。 急激な温度低下に晒されることにより、血圧の上昇が認められ、その後暖房条件に暴露されても、高齢者では血圧が正常値に回復することは観察されなかったので、急激な温度変化ではなく、連続してわずかに気温が低下、もしくは、上昇する環境を設定し、温度変化が人体に及ぼす影響について調べる必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
震災以降半年間は続く余震と節電等の影響を受け、研究実施が制約をうけて、進捗は停滞気味であったが、特段の問題は無い。
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Strategy for Future Research Activity |
評価方法はほぼ確立したので、今後はデータ数を増やすなどして、グループ間の比較、年齢や性別の影響を明らかにし、最終的なまとめを行って、評価法を提案していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
被験者謝金と計測補助者及びデータ整理補助者の雇用、ならびに消耗品、今年度の成果発表のための旅費に使用予定である。
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Research Products
(4 results)