2013 Fiscal Year Annual Research Report
座位から立位への姿勢変換における感覚参照枠再構成の時期と各種感覚情報の役割
Project/Area Number |
23650365
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
藤原 勝夫 金沢大学, 医学系, 教授 (60190089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺井 仁 金沢大学, 保健学系, 教授 (50167871)
外山 寛 金沢大学, 医学系, 准教授 (10172206)
前田 薫 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00454687)
清田 岳臣 札幌国際大学, 人文学部, 准教授 (40434956)
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Keywords | 姿勢制御 / 感覚参照枠 / 立ち上がり動作到達知覚 / 足底振動刺激 / アキレス腱振動刺激 / 後傾姿勢応答 |
Research Abstract |
前年度までに、椅座位から立位への姿勢変換時の感覚参照枠再構成における、中足骨骨頭部の足底圧情報、下腿三頭筋の筋感覚情報、前庭情報および視覚情報の役割を検討した。足底圧情報と筋感覚情報については、中足骨骨頭部とアキレス腱に後傾応答を生じる振動刺激(60Hz)を負荷して検討した。視覚刺激では、白黒の視角2度の縦縞模様の30度傾斜角を用いた。前庭刺激では、閾値+0.3mAの定電流を用いた。両感覚刺激では、側方傾斜応答が生じた。いずれの感覚刺激でも、立ち上がり動作直前に、立ち上がり動作終了時にもたらされる感覚情報を予測していることが明らかになった。また、視覚刺激および前庭刺激では、アキレス腱および足底への振動刺激とは異なり、立ち上がり動作中にもその感覚情報が継続して用いられていることが示唆された。さらに、立位到達時点でのそれらの感覚情報の用い方に、刺激間および個体間に差異があることを裏付ける結果を得た。H25年度では、立ち上がり動作到達時点における足底圧情報と下腿三頭筋の筋感覚情報の役割について検討した。立ち上がり動作到達時点の350ms前~250ms後で、振動刺激を開始し、到達後5秒間継続した。この感覚刺激のいずれか一方、ないし両方の感覚情報で、立ち上がり動作到達時点の約200ms前~50ms後の間で振動刺激を開始した場合に、他の開始時点に比較して、振動刺激に対する後傾応答の潜時が短くなった。この様相には、大きな個体差が認められた(被験者数:足底圧情報60%、筋感覚情報60%、両感覚情報20%)。平均潜時は463ms(SD=101ms)であり、立位姿勢保持時の潜時が約1100msであり、その短縮値は約660msであった。この結果は、立ち上がり動作到達時点の知覚には足底圧ないし下腿筋感覚情報が用いられており、その用い方に大きな個人差が存在していることを示唆していると考えられた。
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Research Products
(5 results)