2012 Fiscal Year Research-status Report
現代社会とコミュニティダンスーコミュニケーション教育への応用可能性ー
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23650369
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
岩澤 孝子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40583282)
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Keywords | コミュニティ / ダンス / アウトリーチ / ファシリテーター / コミュニケーション |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、国内の事例研究として、札幌市教育文化会館を拠点とする「教文コミュニティダンス部」の活動を毎月2回のペースで参与観察し、調査を実施した。調査の基本的アプローチはダンスワークショップの企画、実践、記録(アンケート含む)と、フィードバック(検証作業)である。札幌の事例では、他2名のファシリテーターと共に、作業全体を進めている。また国内の札幌以外野地域については、静岡市および北広島市のコミュニティダンスの事例について調査研究を実施した。さらに、札幌市教育文化会館主宰事業の「ダンスシンポジウム」への参加を通して、札幌市のコミュニティダンスの活動について一般参加者と総括するとともに、他地域(東京、函館市)の事例についても公共ホール事業担当者の事例報告を通じて情報交換をすることができた。 さらに、前年度実施のアメリカ合衆国での調査研究をもとに、札幌市の事例に大きな影響をあたえたアメリカのダンスカンパニーにおけるコミュニティダンスの手法に関する研究成果を、舞踊学会大会(2012年12月)で発表するとともに、タイ、バンコクで開催されたのアートとコミュニティに関する国際フォーラムにも発表者として参加し、日本のコミュニティダンスの現状についての研究成果を報告すると共に、アジアを中心として活躍するアートNPO実践家や研究者などとの情報交換、交流を行った。また、バンコクではアジア型のコミュニティシアターに従事するパフォーマンスグループへの聞き取り調査等も実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
札幌市での継続調査は、今年度も引き続き、密度の濃い内容が実施でき、その研究成果は評価できる。また、札幌の事例を中心にアメリカの事例など海外事例との比較検討が進行中であることも、評価できる。しかし、その他の地域(国内外とも)での調査が、表面的な内容にとどまっており、より焦点を絞った深い調査が必要と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
札幌市のコミュニティダンス事業は、これまでのダンスワークショップの成果を整理し、パッケージ化する段階に入った。ここで選りすぐられたダンスワークショップにおけるファシリテーションの検証を行うことが今後の研究の主眼となる。さらに、アメリカでのダンス・セミナーに参加し、コミュニティに開かれたダンスワークショップ方法論の分析を加え、今後の日本のコミュニティダンスで活用する方法についても考察し、ダンスワークショップ・ファシリテーションのハンドブックの作成準備にかかる。また、日本のコミュニティダンスに大きな影響を与えたイギリスでの調査を加え、コミュニティダンスが興るコミュニティの状況・条件についても検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主な研究費の使用目的は、これまで同様、調査旅費にある。内訳は以下の通りである。 1.国内旅費: 岩見沢―札幌(10回)、岩見沢―東京(2泊3日×3回)、岩見沢―鳥取(3泊4日×1回) 2.海外旅費: 岩見沢―アメリカ(11泊12日×1回)、岩見沢―イギリス(7泊8日×1回) その他、セミナー参加費用( アメリカ Dance Exchange summer Institute 2013)や学会参加費用(第65回舞踊学会大会)を使用する計画である。また、物品費に加えて調査補助員への謝金などは従来同様の使用となる。
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