2012 Fiscal Year Research-status Report
体育授業におけるIT教材の活用方法と教師教育の在り方
Project/Area Number |
23650372
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長谷川 悦示 筑波大学, 体育系, 准教授 (80272227)
|
Keywords | IT教材 / 体育科 / 授業実践 / 教師教育 / 国際情報交換 / イギリス / オーストラリア / アメリカ |
Research Abstract |
本研究では、学校体育の授業におけるIT教材の開発ならびに活用状況を調査し、有効に活用するための諸条件を検討することで、学校体育の授業で必要とされるIT教材の内容と利用方法、ならびにそれらを活用するための教師教育の在り方について提言することを目的として、次の3つの課題に取り組んだ。 1)学校体育の授業におけるIT教材の開発ならびに活用状況については、東京都内小学校で開かれた体育科の研究授業、特に器械運動の授業に参加して、IT教材の活用方法についての調査と提案を行った。4つの事例を収集した。①器械運動でのDVD教材の活用がみられ、PCを運動場に設置して、児童は運動練習時に自由に動画によるデモンストレーションと視覚情報をともなった技術ポイントを視聴して理解をできるようにしていた。児童の意欲づけだけでなく、認識学習に効果的であった。②また別の学校の器械運動の授業では、体育館にスクリーンを貼り、プロジェクターで、同じDVD教材をクラスの児童に視聴させ、併せて、児童によるデモンストレーションで理解を深めるようにしていた。③この授業では、タブレット型PC1台が1つの練習場に設置してあり、児童の試技を録画し、遅延再生することで、自らの演技を確認できるようにしていた。④別の学校の器械運動では、教師がタブレット型PCを用いて、児童の試技を撮影して、その映像を即座に視聴させたうえで、発問を用いて何が良くなったかを考えさせ、そのうえで、矯正的FBを与える実践を行っていた。 2)大学の模擬授業においてIT教材の有効な活用方法については、筑波大学での模擬授業について動画再生省察法を考案して実践し検討した。その成果については、11月に日本スポーツ教育学会、12月にインド・マナブラチャナ国際大学において発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題の(1)については、東京都内の複数小学校の20回以上の校内研究授業を参加することができ、IT教材の活用状況や具体的な提案をすることができた。 研究課題の(2)であるITを活用した体育教師のための模擬授業システムの開発については、所属機関の研究費を獲得することができて、飛躍的に進めることができた。また、信州大学、広島大学、奈良教育大学などの他大学での活用状況についても情報を得ることができた。 また、それぞれの課題について、イギリス、オーストラリア、アメリカの研究者から情報提供を受けることができたため、当初予定していた国外への調査は実施できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後とも東京都内の複数の小学校を中心に校内研究授業を参観して、実用的で効果的なIT教材の活用方法について調査を進めたい。また、そうしたIT教材の活用方法について体育教師教育にどのように教育していくかについて、国内だけでなく、国外の情報をさらに収集して提言としてまとめたい。国外の情報については、7月に予定されているTsukuba Summer Institute 2013に参加予定の海外からの参加教員から得る予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年度ではシステム作成費が予定価格より下回り繰越額が生じた。繰越額を含めて、物品費としては、授業を撮影分析するためのビデオカメラ、PC,ハードディスクを購入する。旅費として、ニュージランドで26年2月に開催されるAIESEP国際会議等での研究発表のための渡航費にあてる。その他の役務として、動画再生システムの管理・維持費に充当する予定である。
|
Research Products
(4 results)