2011 Fiscal Year Research-status Report
仮想(バーチャル)技術応用の新カヤックエルゴメーター開発
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23650385
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西保 岳 筑波大学, 体育系, 教授 (90237751)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 上肢運動 / 下肢運動 / カヌー |
Research Abstract |
カヤック運動は、両手で一本のパドルを動かし、一見、上肢のみの単純運動のようであるが、背筋、下肢筋も協調的に活動させる複雑な運動である。競技選手は陸上トレーニングとして、市販のカヤックエルゴメーター(オランダ製)を用いているが、この機器では左右のバランスをとる動きや発揮したパワーを正確に測定や調節をすることができない。本研究では、この問題をクリアするとともに、運動者が発揮する力やパワー、身体のバランスを入力刺激として、運動負荷を自動調節できる全く新しいカヤックエルゴメーターを製作し、それを用いての革新的トレーニング法開発を目的とした。本年度は、座面と足位置が、左右に重心位置の移動によってスライドするシステムを構築し、それによる上半身の動きに対する影響を、インカレ入賞クラスの大学生カヌー選手を用いて検討した。座面のスライドがある場合とない場合で、カヤック漕ぎ運動を行った場合、スライドする場合にはその技術を習得するために2時間程度の練習が必要であること、また、体幹部分の筋肉がより使われることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
座面と足位置が、左右に重心位置の移動によってスライドするシステムを構築し、それによる上半身の動きに対する影響を検討した。座面のスライドがある場合とない場合で、カヤック漕ぎ運動を行った場合、スライドする場合にはその技術を習得するために2時間程度の練習が必要であること、また、体幹部分の筋肉がより使われることが分かった。本年度は、エルゴメーターの負荷制御の中心部分である、電磁ブレーキを用いた制御機構の設計、制作の予定であったが、達成されていない。漕ぎ手の感覚を実際のカヌー動作に近づけるために、フライホイール(はずみ車)をどの程度用いるのか、プログラム制御をどのようにするかについての課題を現在も検討中である
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度から持ち越しているエルゴメーターの負荷制御の中心部分である、電磁ブレーキを用いた制御機構の制作と、座面スライドシステムと連動させた負荷制御プログラムの完成を目指す。さらに、既存の風力負荷エルゴとの比較、漕ぎ手へのアンケート調査や、パワー出力の妥当性の検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
エルゴメーターの負荷制御の中心部分である、電磁ブレーキを用いた制御機構の設計においてサーボモーターか電磁ブレーキを用いるかについて検討し、資料収集や設計者との議論に時間をかけたために、製作を発注できずに、繰り越し金額が生じた。結論として電位ブレーキを用いることにした。今後は、漕ぎ手の感覚を実際のカヌー動作に近づけるためのフライホイール(はずみ車)と電磁ブレーキとの組み合わせ、さらに、プログラム制御をどのようにするかについて決定して、速やかに、製作業者(京藤設計)に依頼する。繰り越し金はこの費用に使われる予定である。さらに、そのエルゴを使った運動負荷実験を行い、そのための被験者謝金、消耗品費用、運動負荷方法などの資料収集、成果報告に必要な費用として研究費を用いる。
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