2012 Fiscal Year Research-status Report
カヌーパドリングにおける3次元身体加速度と積分値を指標とした動作評価の可能性
Project/Area Number |
23650388
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
松下 雅雄 鹿屋体育大学, その他部局等, 理事 (40199790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 夏実 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 講師 (30287817)
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Keywords | カヌースプリント / カヤック / 水上パドリング / 身体加速度 / 艇速度 |
Research Abstract |
水上パドリングの動作の特徴や大きさ(エネルギー)の把握を,加速度計を用いて簡便に行うことができるかどうかを検討することを本研究の最終目的としている. 平成23年度は,座位姿勢で行われるカヌーカヤックパドリング動作における漸増負荷運動中(シミュレーションマシンを使用)のパワー出力と身体加速度,および酸素摂取量との関係を検討した.その結果パワー出力と3次元身体加速度の積分値および酸素摂取量との間には,有意な正の相関関係が認められ,身体加速度の積分値がパワー出力やエネルギー消費量を反映する可能性が示唆された. すなわち,座位姿勢のパドリング動作でも,外的に発揮したパワーと消費エネルギーの両方を,3次元の身体加速度の積分値で把握することが出来ると考えれた. そこで,本年度は,水上パドリング中の身体加速度の測定を試みた.その結果シミュレーションマシンによるパドリングと同様に運動強度(艇速度)の増大と身体加速度積分値との間には有意な正の相関関係が認められた.しかし,水上での酸素摂取量の測定は実現していない. ここで,身体腰背部の3次元の移動量である積分値の大きさは,艇の挙動にも影響することが明らかであったが,異なる個人間では,身体の移動量が大きくても艇の挙動が小さいなどの差異がみられる場合があった.艇の挙動が大きくなることは推進に対する抵抗を大きくすると考えられるため,身体加速度の積分値と艇速度との関係を説明するためには,艇に推進力を与えるパドルにかかる力を把握して検討する必要があると考えられた.そのため,当初予定に加えてパドルにかかる力(歪み)の計測システムを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り,水上におけるパドリング中の身体加速度測定に着手し,データを収集した.身体加速度の積分値を外的発揮パワーの指標とし,艇の加速度積分値を艇の挙動の大きさとしてとらえることが出来た.このことは,水上パドリングの身体動作と艇の挙動を把握する際に,加速度計測が有効であることを示している.しかし,水上での酸素摂取量の測定を実施することが出来なかった.酸素摂取量の測定は,外的発揮パワーとエネルギー消費量の関係から,推進効率を考えることが出来るので,実現させるべきと考える. 一方で,さらに詳細な説明を加えるためにも,パドルの歪み計測を実験計画に含めることとし,測定システムを構築したため,概ね順調と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25度は,当初予定通り,平成24年度に引き続いて水上パドリングにおける身体加速度と艇の加速度・速度計測を実施するともに,収集できていない酸素摂取量の測定を実施する.また,平成24年度に当初計画に加えて構築した,パドルの歪み計測システムを使用して,身体加速度や艇速度と同時にパドリング中のパドルにかかる力を計測し,総合的な水上パドリングにおける動作の評価方法を検討する. なお,これらの結果をまとめて学会発表および論文発表する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「該当なし」
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