2012 Fiscal Year Research-status Report
視覚障がい者アーチェリーにおける照準システムの開発
Project/Area Number |
23650389
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
渡辺 一志 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 教授 (50167160)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 育生 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80160646)
|
Keywords | アーチェリー / 視覚障がい者 / 照準システム / 聴覚情報 / 磁気センサ |
Research Abstract |
本研究は、視覚障害者が聴覚情報を用いてアーチェリーを楽しむことができるアーチェリー補助システムを開発することを目的とする。昨年度、高精度磁気センサを用いた照準システムを開発し左右方向においてある程度の精度が確認された。さらに精度を向上させ、上下方向のシステムを導入させるため、あらかじめ的の方向を中心として的の上下左右斜めそれぞれに向けた時の9方向に関する磁気データを測定し、磁気センサから得られたデータとの誤差を求めた。求めた9つの誤差のうち最も誤差の小さいものの交点位置の情報を的の方向との誤差情報とともに無線モジュールを通して、受信機へと送信させた。受信機は送信された交点位置の情報と誤差情報を音の高低、左右並びに断続を用いて以下の音情報に変換した。・交点情報が的の方位より高いもしくは低いならば低い音を、的の中心と同じ高さならば高い音に変換する。・交点情報が的方向より右ならば、左からのみ音を再生し、的の方向より左ならば、右からのみ音を再生する。・的の方向との誤差情報が大きければ断続音の感覚を大きくし、誤差が小さければ断続音の間隔を小さくする。・誤差情報が最小ならば、断続音を連続音とする。 本、システムの導入にめどがついたため、画像処理による支援システムの開発は、得点通知システムの開発に焦点を当てた。矢が刺さった的に画像処理を施して矢の位置を推定する方法について検討した。静止画像による得点領域の検出とラベリング、境界検出、ノイズ除去により刺さった矢を検出して得点を推定できる可能性が認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
視覚障害者が聴覚情報を用いてアーチェリーを楽しむことができるアーチェリー補助システムを開発することが本研究の目的である。高精度磁気センサを開発、改良を加えることによって、照準が合っているかはずれているか、また、左右方向にどの程度はずれているかに加え、上下方向にもはずれているかどうかをヘッドホンを使用し聴覚情報により的確に競技者に伝える照準システムがほぼ完成した。さらに、シューティングした矢の得点をただちに競技者に知らせる得点通知システムについては、静止画像でその可能性が確認された。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに、高精度磁気センサを用いて開発した照準システムについて、視覚情報を聴覚情報に変換し、ヘッドホンにより的確に競技者に伝えるシステムがほぼ完成した。照準システムの最終評価を実施し、視覚障がい者による試射を試みる。得点通知システムについては、静止画像での精度を改良し、動画によるシステムの開発を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費では、開発した照準システムの最終評価を実施し、動画による得点通知システムの開発を行う。また、実験被験者謝金、実験補助謝金、研究成果発表に充当する。
|