2012 Fiscal Year Research-status Report
肢体不自由児のスポーツ活動姿勢設定と車いす座位の検討
Project/Area Number |
23650392
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
芝原 美由紀 杏林大学, 保健学部, 准教授 (50440805)
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Keywords | 肢体不自由児 / 車椅子スポーツ / 活動姿勢 / アダプテッド・スポーツ |
Research Abstract |
研究目的は、肢体不自由児のスポーツ活動を支援するため、車いす座位と補装具の検討である。 平成24年度研究概要 平成23年度の調査結果から、定期的に車いす陸上に参加している肢体不自由児は、その競技に適合する車椅子を使用している事が明らかになった。また、この調査から、スポーツ環境の整備の必要性が明確になった。そこで、24年度はスポーツ種目に応じた車いす座位を検討する事とし、車椅子陸上競技に加え車いすバスケットについて調査研究を実施した。通常、成長期の子どもは身体成長が著しいために競技用に車いすを持っていない。対象の学齢児用にバスケット用車いすを作成した。モジュラー型で座面サイズは調整でき、車輪サイズは2種類とした。これを使用し、車いすバスケット競技の入門コースに参加する学齢児4例を対象に、①車椅子座位姿勢の設定 ②車いす座位の評価をバスケット競技での攻撃や防御時における姿勢調整とボールコントロール(ドリブル シュ―ト パス)の検討 ③バスケット実施時の主観的満足度を調査した。その結果、バスケット用車いすの有効性は高く主観的満足度も高かった。しかし、座位姿勢評価は、ゲーム時と同じように車いすを駆動ながらボール操作する複合動作の検討が必要と判明した。そこで、Frame-DIASシステムでの測定について検討を進めた。先行文献を検討しながら、場面設定を検討中である。 平成25年度 本研究において、姿勢設定したバスケット用車いすを使用し、入門コースを修了した肢体不自由児は簡単なゲームができるようになるなど、スポーツ遂行能力の上達が目覚ましい。そこで今年度は、健常児と共に、アダプテッドスポーツ体験をするモデル事業を実施する予定である。そのモデル事業実施に向けて、学齢用サイズのバスケット用車いす調達、指導する協力者、参加する学齢児(八王子市内の小学校)などの協力を得ている
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度調査結果を学会報告した。 24年度の事例調査では、4事例から得られた姿勢設定から、スポーツ競技の特性を考慮した動作の検討の必要性が判明した。そのため、計測方法の検討を進めている。 モデル事業は、肢体不自由児と健常児と一緒に行うことを計画していた。しかし、競技を車いす陸上やダンスから、車いすバスケットに変更したことから、先ずは健常児に対して車いすバスケットの指導及び練習を行い、肢体不自由児と健常児が試合を行う上での安全性や課題を明らかにした上で、両者が一緒に競技を行うこととする。
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Strategy for Future Research Activity |
車いすバスケット実施者(成人)の1名協力を得て、ゲーム中のボール操作時の座位姿勢を計測して、分析をする。肢体不自由児に行った姿勢設定を踏まえ、車いすの検討を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
以下を進めるため、協力者と会議を3回ほど実施予定。 モデル事業:八王子市内小学校 学会報告:アジアPT学会へ発表(予定) 冊子の作成:座位姿勢
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Research Products
(3 results)