2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23650399
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
柿山 哲治 中京大学, スポーツ科学部, 教授 (10255242)
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Keywords | マリアナ・ヤング女史 / 古写真 / ユニフォーム / 木環 / 棍棒 / 唖鈴 |
Research Abstract |
長崎活水女學校は、アメリカメソジスト監督教会から派遣されたエリザベス・ラッセル女史によって、「女子に最高水準の教育」を授けることを目的とし、1879(明治12)年12月1日に長崎市東山手町に開校した。また、創立130余年の歴史の中で、最初に体育を奨励したのは、ラッセル女史の後を受けて1898(明治31)年に2代目校長に就任したマリアナ・ヤング女史であった。そして、ヤング女史が導入した新式体操が評判となり、明治35年活水学院には、当時の体育を撮影した貴重な写真が数点残されているものの、その歴史的価値については検証されていない。本研究では、明治期の校内誌や明治期に在籍した卒業生の証言、職員会議議事録等をもとに、当時の体育の内容について明らかにすることを目的とした。 その結果、1.新式体操に関する古写真は、新式体操服を身にまとったものが2点、グラウンドを行進するものが1点、新式体操を演じているものが2点所蔵されていることが確認された。2.卒業生の証言により、(1)ヤング女史が来てから新式体操が毎日16時から30分間行われていたこと、(2)新式体操服は当時ユニフォームと呼んでおり、通常の和服から洋装になるのを恥として免除を願い出る生徒もいたこと、(3)新式体操は音楽に合わせ、号令は全て英語で行われていたこと、(4)木環・棍棒・唖鈴を使って行っていたことが明らかとなった。3.1930(昭和5)年に開催された創立五十周年記念行事では、来賓として出席したヤング女史に教えを受け、在校生により当時の新式体操が再現され、その内容は(1)Breathing Exercise、(2)Free Gymnastics、(3)Lancing、(4)Percussion Exerciseの4種目であったことが明らかとなった。
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