2012 Fiscal Year Annual Research Report
バイオフィードバックトレーニングが競技力に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
23650401
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
雑古 哲夫 関西大学, 文学部, 教授 (00247892)
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Keywords | バイオフィードバック / 精神性 / 運動生理学 / 精神生理学 / アイススケート / 弓道 / 日本拳法 / 競技力向上 |
Research Abstract |
本研究はバイオフィードバック(以下:BF)機器を用い、スポーツや武道競技者の表面筋電位、末梢皮膚温、皮膚電気活動量、呼吸数、容積脈波、心拍変動、脳波などの推移をディスプレイに映し出し、被験者の精神的な緊張から引き起こされる拮抗筋の過緊張をBFトレーニングで抑制する事により、競技成績を向上させようとした挑戦的萌芽研究である。 研究対象とした関西大学弓道部は、過去十年来全日本学生弓道選手権大会で上位入賞の記録は無かったが、2011年度第59回全日本学生弓道選手権大会男子団体戦で準優勝し、弓道部女子は2012年度第60回全日本弓道選手権大会女子団体戦で三位となった。日本拳法部男子には競技成績の向上は見られなかったが、女子部員(鈴木侑帆)は、2011年度第27回全日本学生拳法選手権大会女子団体戦で優勝、2012年度には社会人も含めた第25回全日本拳法女子選手権大会で個人優勝した。アイススケート部女子部員(村元小月)も、2011年度第84回日本学生氷上競技選手権大会、全日本選手権大会フィギュア部門女子Aクラスで個人優勝した。 弓道部では平成23、24年度に毎回の練習において矢の的中率の変化を記録し、毎月BF受講者と非受講者の競技成績について比較を行った。BFトレーニング受講者は当初より競技成績の高い学生を選出していた為、平成23年度のBFトレーニング受講者の的中率は60%、非受講者は49%であったが、約1年間BFトレーニングを実施した平成24年は、的中率を上げにくいはずのBFトレーニング受講者の的中率が9%向上し69%となり、非受講者は2%減少し47%となった。 日本拳法男子には競技成績の向上は見られなかったが、弓道における的中率では、BFトレーニング受講者の的中率が明らかに向上した。これらの結果より精神的な要素の高い弓道におけるBFトレーニングは特に有効である事が明らかとなった。
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Research Products
(1 results)