2011 Fiscal Year Research-status Report
機能性RNAを介した運動による筋萎縮抑制メカニズムの解明
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23650402
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
武政 徹 筑波大学, 体育系, 准教授 (50236501)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 筋萎縮 / 運動 / 機能性RNA / リボソームRNA |
Research Abstract |
我々は、不活動や加齢による筋萎縮を運動が抑制する分子機構の解明を目指して研究を進めている。そして、これまでの筋萎縮に関する研究から、筋萎縮の一因がリボソームの合成低下である可能性を示した。そこで本研究では、リボソームの合成を抑制する"pRNA(プロモーターRNA)"に着目し、筋萎縮時における"pRNA"の発現とその役割、及びその制御機構の解明を目標に今年度の研究を行った。しかし、マウス骨格筋において、リボソームRNAを制御すると言われているpRNAの検出を試みたものの、リアルタイムPCRという高感度な検出機械であっても検出する事は出来なかった。そこで、同じく機能性RNAの一種であるmicroRNAについて、検討を行うことにした。microRNAはそのターゲットとなる特定のタンパク質のmRNAを分解したり、翻訳をおさえる機能がある。運動性筋肥大のモデル実験である代償性過負荷をマウスの足底筋にかけ、microRNAのマイクロアレイ解析を行ったところ、その一種であるmiR-21が筋肥大時に特異的に発現レベルを上昇させることがわかった。さらに、そのターゲットとなるPDCD4、PTEN、SPRY2等の発現を抑えることがわかった。この実験結果は以下のジャーナルに公表予定である。Tohru Takemasa, Yousuke Abe, Chiaki Kumagai, Hidenori Kiyosawa: Possible involvement of microRNA-21 in skeletal muscle hypertrophy. Adv. Exerc. Sports Physiol., 2012 in press
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リボソームRNAの合成を制御している事が明らかとなっている新しい機能性RNAであるpRNAの検出を試みるものの、リアルタイムPCRという高感度な機器を用いても検出が不可能であった。そこで、現有の技術では検出不可能と判断し、新たな検出方を模索している状態である。研究実績の概要のところに書いたように、microRNAについては研究は進んだが、pRNAの解析は遅れているといわざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
pRNAの検出に関しては、サンプルRNAの濃縮、逆転写酵素のグレードアップなどを含め、技術的な改良を加えて、当初の目的を達成すべく挑戦してゆきたい。また、網羅的解析から明らかになってきた機能性RNAの一種、miR-21等についても、培養細胞やマウス骨格筋を用いて更なる機能解析を行い、運動が骨格筋の萎縮を抑制するメカニズムに機能性RNAがどのような役割を果たしているのか探ってゆきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
大きな備品を購入する予定はないが、物品費、旅費、謝金、その他として、有効に活用する予定である。
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Research Products
(3 results)