2011 Fiscal Year Research-status Report
特定健診・保健指導システム下での個人及び集団アプローチの再構築とその評価
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23650424
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Research Institution | Chiba Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
佐藤 眞一 千葉県衛生研究所, その他部局等, 技監 (60450920)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / 特定健診・保健指導 / 肥満 / 早食い / 成人歯科保健 / 食育 / 千葉県 |
Research Abstract |
(1)反メタボキャンペーン・特定健診は肥満者を減らしたか?の研究実績を示す。2002年度より2007年度までの連続する2年のデータがある市町村について、初年度肥満の有無別に、翌年度の受診の有無、連続受診者における翌年度の肥満度の改善・悪化割合、を、男女別に、初年度40から73歳に絞って、初年度2002年度から2006年度について、集計した。男性で、2002-3、2003-4に比し、2004-5、2005-6、2006-7では、肥満者の翌年受診率が低下し、非肥満者のそれとの差が大きくなった。受診した肥満者では、肥満の改善した者の割合が増えた。このため、連続受診者全体に占める肥満者の割合も減少した。女性でも似た傾向を示したが、男性より小さな変化だった。この結果は、メタボリックシンドロームが一般に知られるようになる前後の変化を捉えており、反メタボキャンペーンにより肥満者で非肥満者に比し受診抑制が強く起こったと考えて矛盾しない。この内容は、第22回日本疫学会学術総会(平成24年1月27日)で発表した。(3)早食いは、肥満・メタボにつながるか?の研究実績を示す。千葉県内市町村国保の特定健診初年度の全データ(約41万人分)の断面調査を行った。早食いの者の割合は、肥満者で非肥満者に比し、メタボリックシンドローム該当者で非該当者に比し、メタボリックシンドローム非該当者の中ではメタボリックシンドローム予備群の者でそれ以外の者に比し、それぞれ高かった。この関連は、男女別、年齢階級別にしても認められた。この結果は、早食いの是正により、肥満・メタボが改善する可能性を示したものと考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(2)未受診者対策は受診者を増やすか?で対象としている海匝3市が、旭市を中心に東日本大震災で被災し、3年間の計画を市と相談するための会議開催が遅れたため。2011年3月18日の海匝地域・職域連携推進協議会で研究が採択されたときの計画を提案し、平成23年度の初回会議で承認いただく予定だったが、震災で当該会議が無くなり、平成23年度の初回会議も2011年11月14日まで開催できなかった。承認いただいた第2回会議は2012年3月8日にずれ込み、10月程度の遅れが生じている。(3)早食いは、肥満・メタボにつながるか?で実施を計画していた、成果の還元と各市町村での応用可能性の確認、クラスターランダマイズ化のデザインの部分は、震災の影響で県から各市町村への年度業務連絡会が遅れるとともに時間が短縮され、資料提供に留まり、後日、個別に状況把握が必要となったため、3月程度の遅れが生じている。(1)反メタボキャンペーン・特定健診は肥満者を減らしたか?で計画した基本健康診査データ収集事業データセットの解析、(2)(3)早食いは、肥満・メタボにつながるか?で計画した初年度特定健診データセットの解析は、実績概要に記したように予定どおり進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
(3)早食いは、肥満・メタボにつながるか?の介入試験では、連携研究者である安藤雄一を主任研究者とする平成24年度からの厚生労働科学研究との協働を想定していたが、不採択となったため、新たに千葉県行政歯科衛生士会から高澤みどりを加え、県内での独自研究として体制を組み直して臨む。(2)未受診者対策は受診者を増やすか?の観察研究では、連携研究者である小窪和博海匝保健所長から、血清クレアチニン値の測定、尿中食塩排泄量の測定を検討項目に加えたい旨提案があり、前者は市町村費用で、後者を本研究費で行えるよう検討している。(1)反メタボキャンペーン・特定健診は肥満者を減らしたか?の検討では、連携協力者である柳堀朗子が千葉県から公益財団法人に身分移管したため、法人の理事長、事務局長の同意を得て、報酬を支払って協力いただく形を整えた。県職員でなければ扱えない個人情報に係る処理は、健康疫学研究室から協力いただくことで、室員および所長の同意を得た。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後の研究の推進方策に記した内容に従い、柳堀朗子の報酬、各連携研究者の旅費、尿中食塩排泄量の測定に係る消耗品費などを想定している。
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Research Products
(1 results)