2012 Fiscal Year Annual Research Report
未規制のたばこ類似商品・電子たばこの有害性評価を実施し健康被害を予防する
Project/Area Number |
23650425
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
欅田 尚樹 国立保健医療科学院, 生活環境研究部, 部長 (90178020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 茂久 国立保健医療科学院, 生活環境研究部, 上席主任研究官 (40524236)
稲葉 洋平 国立保健医療科学院, 生活環境研究部, 主任研究官 (80446583)
中込 秀樹 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20375611)
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Keywords | 電子タバコ / アクロレイン / カルボニル化合物 / 有害化学物質 / 無煙タバコ |
Research Abstract |
電子タバコの安全性に関しては、WHO, FDA等で懸念が表明されている一方、系統的な調査が十分に実施されていないのが実情である。本研究では、電子タバコによる吸入蒸気に有害因子が存在しないかを、化学分析を実施することによりリスク評価を行うこと を目的とした。 電子タバコの蒸気に含まれる化学物質濃度評価には新たに開発した技術を用い実施した。あわせて発生する化学物質の 生成メカニズム等の検討を行った。 その結果、国内で販売されている電子タバコには、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、グ リオキサール等、多くの有害なカルボニル化合物が高濃度で検出された。電子タバコ専用カートリッジに含まれる液体を分析した結果 、主成分はグリセロールやグリコール類であった。そこで、様々なグリコール類をコイル状のニクロム線に塗布した模擬電子タバコを作製し、印加し発生する気体を分析したところ、印加電圧に応じてエチレングリコールからグリオキサールが ,プロピレングリコールからメチルグリオキサールが,グリセロールからアクロレインが発生することが明らかになった。また、これ ら有害物質の発生量にはバラツキがあり、銘柄間のバラツキ、サンプルロットごとの発生量のバラツキ、サンプルロット内のバラツキ が認められ、電子タバコから有害なカルボニル化合物が、非意図的に高濃度で発生することが明らかにした。さらに、WHO Technical Report Series No955においては、電子タバコや無煙タバコに関する情報が記載されているが、これらの情報を各種委員会や自治体職員向けの研修会等で提示してきた。
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