2012 Fiscal Year Research-status Report
思春期の子どもの心理的変数をアウトカムにしたストレスタンパク質と成長因子の解析
Project/Area Number |
23650426
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
小川 貴志子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, その他 (20508676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野井 真吾 日本体育大学, 体育学部, 准教授 (00366436)
阿部 茂明 日本体育大学, 体育学部, 教授 (30089776)
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Keywords | 思春期 / 情緒的幸福度 / 問題行動 |
Research Abstract |
日本の思春期の子どもの情緒的幸福度(emotional wellbeing)は、諸外国と比べて極めて低い。その要因として、親や教師、友人などとの人間関係の脆弱さにあると考えられ、周囲の人との関係性が低いことは、非行、自殺への危険にもつながる。しかし、子どもの発達に鑑みた人間関係構築における躓きやその社会的要因、非行や自殺へと至る決定要因などについては、未だ十分な検討が行われていない。本研究は、様々な生体指標を用いて、子どもの生活や社会的背景と心理的ストレス状態との関連性を検討するものである。 一昨年度、我々は、問題行動のある子どもを指導する現場教員からのインタビューを行い、子どもの生活や問題について、インタビューの逐語録からグラウンデッド・セオリー・アプローチ解析を行った。その結果子どもの家庭とその経済状態及び地域社会との関連が非常に大きいことが確認できた。例えば、自傷行為、性産業の犠牲となる子どもの場合、家庭の経済状態が大きく反映している。しかし、経済状態が悪くても問題行動へと至らない子どもも多く、この差は、親や教師など大人との人間関係が非常に密接であることがわかった。一人一人の子どもの問題を理解し、話を聞くという時間が子どもを取り巻く大人に持てているかどうかも大きな課題であることが判明した。 グラウンデッド・セオリー・アプローチ解析の結果から、社会的な問題背景と子どもの問題行動との関連が強いことが示唆されたため、全国地方自治体を対象に子どもの保護と育成に関する質問紙調査を行った。3000以上の自治体からの回答を得られたが、地域によって子どもに対する対策に格差が生じていることが確認できた。さらに、質問を回答するにあたって行政内で数か所の部署へ質問がまわっており、子ども問題を統括して把握、調整している部署が少ないことが明らかになり、地方においても縦割り行政の弊害が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子どもを取り巻く保護者や先生などと子どもとの関係について、子どもにとってまわりの大人の重要性とその問題点を明らかにできたことは、今後の教育や指導指針に生かせる結果が得られたものと考えられ、子どもの発達に鑑みた人間関係構築における躓きやその社会的要因、非行に至る決定要因の一部を明らかにした点で、当該研究目的の一つの達成点を得たと考える。さらに、自治体調査により子どもの問題に熱心に取り組んでいる自治体とそうでない自治体との差が明らかになったことや自治体組織の問題として縦割りの弊害があることが判明し、子どもの問題を統括する政策部署の必要性が明らかになったことは、今後の教育政策、児童福祉政策への改革提言へとつながる可能性があり、大きな成果を得られたと考えている。この点においても、問題を抱えて問題行動や非行、自殺に至る子どもの状況を認識し、問題解決へ導くための指針基盤を得られたことで当該研究目的の達成に近づけたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
思春期の子どもの情緒的心理的幸福度を向上させ、心理的ストレスをコントロールする方策を見つけるために、本研究は、様々なストレスや成長に関する生体指標と心理状態、子どもの生活や社会的背景との関連性を解析することにより、問題事象を早期に発見し、かつ問題の機序を推測することを目指して研究を行ってきたが、今年度は、近赤外線脳画像診断を新たな生体指標として加え、情緒や心理的問題を抱えている子どもと問題を抱えていない子どもを対象とした近赤外線脳画像診断と生化学指標及び生活背景についての質問票との関連を検討する予定である。現在、一人で行うテレビゲームと友人との会話における近赤外線脳画像診断の比較を行い、たとえテレビゲームで興奮していても脳活動が会話中より沈静化するなどの結果を得ている。子どもの日常生活の中で得られる心理的変化を明らかにしていくことや、テレビゲームやインターネットなどのメディアと子どもの心や日常生活への影響を解明することを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度研究費は、主に2年間の研究成果を公表するために論文投稿費及び学会参加費、旅費として使用する予定である。さらに、生体指標に関連した項目である、近赤外線脳画像診断と血液生化学指標の検査費用として研究費を使用したいと計画している。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Effects of a comprehensive intervention program, including hot bathing, on overweight adults: A randomized controlled trial.2012
Author(s)
Sakurai R, Fujiwara Y, Saito K, Fukaya T, Kim MJ, Yasunaga M, Kim H, Ogawa K, Tanaka C, Tsunoda N, Muraki E, Suzuki K, Shinkai S, Watanabe S.
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Journal Title
Geriatr Gerontol Int.
Volume: 24
Pages: 1-8
DOI
Peer Reviewed
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