2013 Fiscal Year Annual Research Report
夜間の短波長光暴露が睡眠とエネルギー代謝に及ぼす影響
Project/Area Number |
23650428
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
徳山 薫平 筑波大学, 体育系, 教授 (00207565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 誠 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50242409)
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Keywords | 青色LED / 睡眠 / 睡眠時エネルギー代謝 |
Research Abstract |
光は概日リズムの同調因子であり、特に夜間の短波長(460nm前後)光の曝露はメラトニン分泌を抑制することが知られている。近年、照明技術が発達し、短波長成分を含む光は、照明用光源やパソコン、テレビのディスプレイ素子として広く活用されている。夜間の短波長光曝露はメラトニン分泌を抑制し、睡眠に影響を及ぼす可能性がある。そこで、短波長であるブルーライトLED光源を使用し、夜間の睡眠への影響を明らかにするため、睡眠ポリグラフ検査を実施した。また、睡眠と連動しているエネルギー代謝への影響についても検討するため、実験はヒューマンカロリメーター室で行った。健常成人男性9名を対象に、ランダム化クロスオーバー試験でブルーライト曝露試行と対照(光曝露なし)試行の2試行実施した。 ブルーライト曝露試行と対照試行で、夜間の睡眠や睡眠時のエネルギー代謝に差はみられなかった。しかし、翌朝午前中の脳波では、起きているように指示していたにも関わらず、ブルーライト曝露試行で覚醒水準が低下している時間(睡眠ステージ1と2)が26.0±9.8分(対照試行:6.3±2.7分)と有意に多かった。翌朝午前中のエネルギー消費量、酸素消費量、二酸化炭素産生量についても、ブルーライト曝露試行で有意に低かった(図3)。また、朝食後の食後熱産生はブルーライト曝露試行で57±7 kcal/3h(対照試行:74±7 kcal/3h)と有意に低かった。就寝前のブルーライト曝露は夜間の睡眠や睡眠時のエネルギー代謝には影響を及ぼさなかったが、翌日午前中のエネルギー消費量や食後熱産生に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)