2011 Fiscal Year Research-status Report
超音波エコー画像のテクスチャ情報から筋力を推定する手法の開発
Project/Area Number |
23650435
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村木 里志 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (70300473)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 修 独立行政法人産業技術総合研究所, 生産計測技術研究センター, 研究員 (20357891)
福元 清剛 静岡大学, 工学部, 助教 (60600129)
船津 京太郎 九州共立大学, スポーツ科学部, 准教授 (10259658)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 老化 / 筋力 / 超音波 / 画像解析 |
Research Abstract |
超音波エコーは人間の筋の厚み(筋厚)を計測する有効な手法である。その超音波は組織境界間(皮下脂肪-筋-骨)で反射する性質があり、筋厚の情報が容易に得られる。一方、組織自体においても反射や減衰が起こり、それは模様や濃淡によって画像(以下、画像テクスチャ)に反映され、その違いは筋肉の質を反映している可能性がある。本研究では画像テクスチャ情報から筋の「質」を推測し、筋の能力(筋力)を推測する新しい手法を開発する。 平成23年度は「筋の超音波エコー画像テクスチャに及ぼす身体特性の影響」をテーマとした。特に画像テクスチャが年齢や性によって異なるかを検討することが目的である。 高齢になると特に減弱がみられる下肢(大腿部および下腿部)の筋(弛緩時)の超音波画像を対象とした。超音波画像計測(撮影)時においては、超音波装置の種類、超音波プローブの向き(筋線維に対して平行か水平か)、姿勢(例えば大腿部の場合、股関節および膝関節が屈曲か伸展か)などを検討した。画像解析時においては、解析に用いる画像の領域やピクセルなどを様々設定した。そして、年齢および性の違いによってテクスチャ特徴量(エネルギー、エントロピーなど)に違いが存在するか、また今後、テクスチャ画像に着目するためには上述した様々なパラメーターをどう設定すれば良いかを検討した。ここではその結果の一部を報告する。 20歳代の若年群20名(男女各10名)および60歳以上の高齢群20名(男女各10名)を対象とし、大腿部前部(大腿直筋および中間広筋)を計測・解析した。特に大腿直筋においては局所一様性、コントラスト、エントロピーなど多くの項目において年齢間の差が認められた。これらのことより、画像テクスチャは筋の加齢を反映することが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最も重要な課題「超音波エコー画像テクスチャが年齢や性によって異なるか」については十分な成果が得られいる。また、次年度の研究を進めるための必要な成果(画像テクスチャを得るための各種パラメーターの設定)も得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
画像テクスチャに隠れている情報を抽出するためには、画像テクスチャを計測・解析するための各種パラメーター(超音波装置・プローブの特性、姿勢、プローブの向き、解析領域、画像ピクセル数など)を最適化する必要がある。平成23年度はこの検討を優先したために被験者1名に対する計測・解析数が膨れあがり、多くの被験者を計測できなかった。 ただし、平成23年度の成果からパラメーターをある程度絞ることができ、研究を効率的に進めることが可能となった。よって、平成24年度においては当初の課題に加え、平成23年度の計測データを追加することも加え、平成23年度の研究成果をさらに拡張する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度の研究費を平成24年度に約37万円繰り越した。この予算は上述したように平成23年度の研究成果の拡張に当てる。平成24年度は主に計測・解析にマンパワーを必要とするために、研究費(100万円)の大半を人件費に充てる。
|