2012 Fiscal Year Annual Research Report
超音波エコー画像のテクスチャ情報から筋力を推定する手法の開発
Project/Area Number |
23650435
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村木 里志 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (70300473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 修 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (20357891)
福元 清剛 静岡大学, 工学部, 助教 (60600129)
船津 京太郎 九州共立大学, スポーツ科学部, 准教授 (10259658)
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Keywords | 超音波 / 筋肉 / 筋力 / 画像テキスチャ |
Research Abstract |
超音波エコーは人間の筋の厚み(筋厚)を計測する有効な手法である。その超音波は組織境界間(皮下脂肪-筋-骨)で反射する性質があり、筋厚の情報が容易に得られる。一方、組織自体においても反射や減衰が起こり、それは模様や濃淡によって画像(以下、画像テクスチャ)に反映され、その違いは筋肉の質を反映している可能性がある。本研究では画像テクスチャ情報から筋の「質」を推測し、筋の能力(筋力)を推測する新しい手法を開発することを目的としている。平成24年度は「筋力値に関係する超音波エコー画像テクスチャ特徴量の探索」を実施した。 被験者は健康な若年男性57名(18~25 歳)であり、半分以上は定期的にスポーツ活動を実施していた。膝関節伸展運動時の最大等尺性および最大等速性筋力(60、180、300°/sec)を等速性筋力測定装置(CYBEX NORM)により測定した。また、超音波エコー装置(Logiq e、GEヘルスケア)を用い、仰臥位、座位、立位時それぞれの大腿前面(大腿直筋、中間広筋)を撮影し、その画像から筋厚を計測した。さらに大腿直筋および中間広筋それぞれの中心部の画像を対象にテキスチャ解析を行った。テキスチャ解析には空間濃度レベル依存法(SGLDM)、濃度差分レベル法(GLDM)、濃度ヒストグラム法(GLHM)を用いた。解析方向は0、45、90、135°とした。 筋厚(大腿直筋と中間広筋の合計値)と筋力値(絶対値)との相関係数は0.4~0.52の範囲内であった。画像テキスチャによって得られる各パラメーターと筋力値との相関を算出したところ、特にエントロピーおよび角度2次モーメントにおいて、姿勢や解析手法などの条件が揃えば、0.4前後の相関係数が得られることが確認できた。また、これらのパラメーターは筋厚の影響を受けにくいことが確認され、筋の質の推定に有効であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)