2011 Fiscal Year Research-status Report
モーニングサージ型早朝高血圧症等の血圧の日内変動と身体活動・体力との関連
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23650437
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
大槻 毅 流通経済大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (20375372)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 高血圧 / 早朝高血圧 / モーニングサージ / 身体活動 / 運動 / 体力 / 血管内皮機能 / 動脈スティフネス |
Research Abstract |
習慣的な身体活動が24時間血圧に及ぼす影響について検討した最近のレビューは,介入研究を行った30編の原著論文の中で,収縮期血圧の夜間の平均値低下を認めた論文はわずか2編であったと報告している.これらの結果からは,心血管イベント(脳卒中や心発作)の発生率が高い早朝から午前中にかけては,身体活動による血圧改善効果は期待できないと考えざるを得ない.しかし,疫学研究やランダム化比較試験等の結果からは,心血管イベントの発生リスクが早朝から午前中にかけての時間帯で大きいことと,身体活動により低下することは自明であり,この時間帯においても,身体活動が何らかの形で血圧に好影響をおよぼす可能性は十分に考えられる. 収縮期血圧は就寝後に低下し,起床前後に上昇する(モーニングサージ).動脈スティフネスの増大等により動脈圧受容器反射感受性が低下したり,自律神経系機能が低下したりして,就寝後の血圧低下やモーニングサージが亢進すると,心血管イベントのリスクは増大する.しかし,この血圧変動と身体活動との関連は明らかにされていない.本応募課題の目的は,モーニングサージ型早朝高血圧症等の血圧の日内変動を,身体活動により改善できるか否かを検討することである.この目的を達成するために,中高齢者において就寝前から起床数時間後までの血圧の変動を評価し,身体活動量,体力,動脈スティフネス,動脈圧受容器反射感受性,自律神経系機能との関連を検討する. 平成23年度においては,約40人の中高齢者を対象に,就寝前から起床数時間後までの血圧,身体活動量,最大酸素摂取量,動脈脈波伝播速度の測定,および,安静時における動脈血圧波形と心電図の連続記録,反応性充血検査,血液検査を実施した.現在はデータの解析中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の予定対象者数は50人であり,予定数に近い対象者を確保することができた.測定項目についても,研究費の交付額に合わせて若干の調整を行ったが,核となるデータは,全て取得することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に取得したデータの解析を行い,必要に応じて測定対象者を追加する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
追加実験に関わる消耗品費,研究データの取りまとめと学会発表および論文作成のために,研究費を使用する予定である.
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