2012 Fiscal Year Annual Research Report
モーニングサージ型早朝高血圧症等の血圧の日内変動と身体活動・体力との関連
Project/Area Number |
23650437
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
大槻 毅 流通経済大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (20375372)
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Keywords | ウォーキング / 収縮期血圧 / 就寝時血圧 / 柔軟性 / 身体活動量 / 抵抗性運動 / モーニングサージ |
Research Abstract |
血圧には体内時計と身体的・精神的活動による日内変動が存在する.体内時計に従った概日変動においては,血圧は就寝時に低下し,起床前から正午頃まで上昇する.また,身体的・精神的活動においては,運動したり興奮したりする際に,血圧は上昇する.これまでに,24時間にわたって15分~30分毎に測定した血圧の平均値(24時間血圧),就寝時から起床後2時間の血圧上昇(モーニングサージ),低強度運動時の血圧は,安静時血圧とは独立した心血管系疾患の危険因子であることが報告されている.本研究では,血圧の日内変動と身体活動および体力との関連を検討するために,中高齢者のべ243人を対象に,24時間血圧,モーニングサージ,筋力づくり運動(抵抗性運動)時の血圧,ウォーキング時の血圧等を測定し,日常生活における身体活動量および体力との関連を検討して,以下の知見を得た. 1.就寝時における収縮期血圧の最低値と身体の柔軟性との間に,年齢,性別,起床時の安静時血圧などとは独立した正の相関関係が認められた.興味深い結果であるが,その解釈は,今後の検討課題である. 2.抵抗性運動時の収縮期血圧上昇は,加齢に伴い増大したが,日常生活における身体活動量が多い者では,血圧上昇は小さかった.この結果から,日常生活における身体活動量を増加させることで,抵抗性運動に伴う血圧の日内変動を抑制できると考えられた. 3.任意速度で行うウォーキングにおいて,収縮期血圧の上昇は,相対的に(普段の歩行速度に対して)ペースが速い者,および,比較的気温が低い日に大きい傾向にあった.これらの結果から,普段の歩行速度に見合ったペースでウォーキングを実施すること,気温の低い日には保温に努めることで,ウォーキングに伴う血圧の日内変動を抑制できると考えられた. これらは,血圧の日内変動についての理解を深め,より適切な血圧管理を可能にするために有用である.
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Research Products
(4 results)