2011 Fiscal Year Research-status Report
関節拘縮予防のための安全な他動運動の実施に関する研究
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23650450
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
日高 正巳 兵庫医療大学, 医療福祉学部, 教授 (20294233)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 関節拘縮予防 / 他動運動 |
Research Abstract |
圧分布計測システムのセンサマットサイズを当初予定の全身用サイズのセンサマットの購入が不可能と判断し、背面全体の圧を計測する計測モデルから臀部のみの圧を計測するモデルへの変更を行うものとした。その上で、圧センサーの比較検討を行い、臀部のみの圧分布計測ができるセンサマットサイズに変更した。 また、ベッドの硬さについては、硬さの計測機器の借用費の捻出ができず、臨床現場で通常使用されているベッドと治療台とを比較する研究デザインへと変更を加えた。 交付額減額の可能性があるとのことで、情報収集ならびに被験者募集についても計画の見直しを行い、まずは、被験者を募集することなく実施できる予備実験として、機器の操作方法の習熟ならびにキャリブレーションの実施方法の確認を実施した。 研究費の支払いが確定した後に、研究に協力して頂く臨床施設の現場責任者とともに、研究計画の煮詰めを行い、倫理審査委員会に向けた研究計画書の作成を行い、学内の倫理審査委員会の倫理審査を受けた。倫理審査申請書類の提出時期によって、倫理審査委員会の研究承認が2月にずれこむこととなったため、学生を基礎実験の被験者として予定していたが、春期休業期間と重なったこともあり、被験者募集ができず、年度を超えることとなった。 圧分布の計測結果より、高圧部位の特定を行えるかどうかについて、予備実験として座圧の変化に対するレスポンスの程度ならびに圧変化の分解能について、確認を行った。座圧の場合には、局所の分圧が高くなるため、反応性が高いものに、圧が低くなる臥位においては、圧の分解能による誤差が含まれる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
計測機器のセンサマットのサイズが当初の研究予定に比べて、予算的に縮小が余儀なくされた。そのため、体幹背面による圧分散によって、体圧の分散が不明確になる可能性が予測された。そのことを踏まえ、計測範囲を臀部に集約することで、臀部に対する圧変化に限局して着目すべく研究デザインの見直しを行った。 第13回日本褥瘡学会に参加し、情報収集を実施した。他動運動時における臀部での接触圧の変化をモニタリングすることの有用性について、先行研究者との間で意見交換を行い、研究の有用性・必要性について再確認を実施した。 計測機器のサイズ変更によって計測できる部位を限定した実験モデルとして、研究デザインの見直しを行い、1月に研究倫理審査委員会に倫理審査申請を行い、2月15日に受付番号11027号にて倫理審査の承認を受けるに至った。研究が遅延した要因の一つとして11月の倫理審査委員会に研究計画書が提出出来るように研究デザインの見直しが間に合わなかったことが挙げられる。 研究倫理委員会(2ヶ月に1回開催)の承認を得た後に、学生を対象として被験者募集を行う予定にしていたが、倫理審査委員会の承認が2月と春期休業期間にずれ込み、学生に対する被験者募集を実施することが出来なかった。 その間を利用し、研究同意書等の書類作成ならびに、計測データ採取後の処理方法についてのシミュレーションを実施し、データ収集後の処理プロセスが順調に行えように計画した。また、坐位時の予備研究としてクッションの硬さの違いによる衝撃の変化を観察したが、クッションの違いよりも介入時の速度等の影響を強く受けることが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の主体については、すでに倫理委員会で承認を受けているため、被験者の募集を開始する。なお、被験者としては学生を予定しており、通常講義ならびに試験等への影響を考慮し、前期終了後から後期開始時までの間の夏期休暇期間にデータ収集できるようにする。学生のデータ収集終了後、臨床現場に計測機器を持って行き、臨床現場で臨床活動に従事している理学療法士を対象とした計測を行う。 1人の被験者に対する計測時間を約30分として予定し、1日数名ずつ、被験者の目標数は10例以上となるようにする。データの収集と解析を並行して行い、年末年始までには、補充データの収集も終えるべく予定を組む予定にしている。年明けには、平成25年度に開催される第15回日本褥瘡学会の演題受付が開始されるため、演題申し込みができるように解析を進める。 他動運動を実施するベッドの硬さについても検証する予定にしていたが、クッションにおいて、素材以上に介入時の速度等の影響を受けることがより、日常の診療等で使用しているベッドを標準として計測によって、介入の違いを検討することが適当と考えるが、ベッドの硬さによる圧の違いが比較において発生した場合には、代用品を含めて、硬さを計測できるようにし、ベッドの硬さの表現に努めるものとしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度、第14回日本褥瘡学会が横浜で開催され、今年度に引き続き、褥瘡ガイドラインの改訂版についてのコンセンサスシンポジウムがあるため、学会参加し、情報収集を行う。また、褥瘡予防のための座圧による研究を行っている研究者と情報交換を行い、臥床時での臀部における圧変化について、考慮すべき課題等について情報を得るように努める。そのため、研究費を国内旅費に充当して使用する。研究倫理委員会の承認を受けて被験者募集を行うため、その研究協力者謝金として使用するとともに、研究実施に必要となる消耗品や記録用メディアの購入等に充当する予定である。
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