2012 Fiscal Year Annual Research Report
関節拘縮予防のための安全な他動運動の実施に関する研究
Project/Area Number |
23650450
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
日高 正巳 兵庫医療大学, 医療福祉学部, 教授 (20294233)
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Keywords | 褥瘡 / 予防 / 関節拘縮 / 他動運動 / 理学療法士 |
Research Abstract |
【目的】褥瘡予防・管理ガイドライン第2版では、GPPとして「硬いベッド上でのプログラムをさけるようにする」とされていたが、他動運動時に臀部にかかる圧力については研究がなされていなかった。そこで、理学療法士がベッド上で他動運動を実施する際に、どの程度の圧が臀部に加わっているのかを明らかにすることを目的とした。 【方法】研究方法について書面と口頭によって説明し承諾を得た理学療法士11名(経験年数中央値6年、1~14年)を対象とした。治療台に臥床している対象者の右下肢を他動的に屈伸させた際の臀部圧を計測した。臀部圧の計測には、FSA(タカノ社製,センサーサイズ19.1×19.1mm)を用いた。硬さの異なるベッド上(Soft,Hard)で、通常実施時、減圧意識時の2条件の4条件にて計測した。計測機器の最大値200mmHgを超える試行がみられたため、解析については、120mmHg、200mmHgを超える面積を求めた。本研究は兵庫医療大学倫理審査委員会の承認を得て実施した。 【結果】Softなベッド上では200mmHgを超えることはなく、120mmHgを超えた面積の中央値は減圧意識時に25.5(0~76.6)cm2であった。Hardなベッド上では200mmHgを超えた面積の中央値は減圧意識時でも18.2(0~40.1)cm2であった。 【考察】研究前の想定以上に圧が加わっており、他動運動によって臀部に負荷が加わることが確認できたが、その一方で200mHgを超えることなく低圧で他動運動を実施できる者もいたことより、注意深く実施すれば安全に実施することは可能と考えられた。 【まとめ】他動運動実施中のベッドと臀部の接触圧は、高圧になることが想定されるが、注意深く行うことで圧を高めすぎることなく実施することは可能で有り、理学療法士の意識と技術の向上が重要である。
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Research Products
(1 results)