2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23650455
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井上 真理 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (20294184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
吉田 賢史 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (80351906)
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Keywords | 放射線治療衣 / 皮膚特性 / 衣服形状 / 風合い |
Research Abstract |
本研究では子宮がんの患者が現状よりも安心して快適に放射線治療を受けられるように、医療スタッフの協力を得て、治療に必須な条件を満たした上での放射線治療時の衣服の開発に取り組んだ。治療用衣服の完成を目指すに当たって、治療に必要な条件の検討、衣服材料の選定、材料実験(皮膚表面線量比測定、化学反応の有無の確認、布の風合い・触感の測定他)、衣服の試作を行った。 まず、治療に必要な条件を明らかにするため、着脱の問題、放射線技師が扱いやすいかどうか、放射線照射ポイントである皮膚マーカーの特定が可能かどうか、放射線照射による化学反応、副作用で皮膚反応を増強させないか、コストの問題など、これまでの治療経験に基づいて取り上げ、さらに治療に支障がないように必要な条件を吟味した。その上で、衣服材料を検討し、一般的にアンダーウェアとして用いられる綿、ナイロンから成る布を選定した。患者は皮膚感覚が敏感になっている可能性が高いため、材料の風合い・触感の良さを、布の力学特性と表面特性から導き、患者の着用感の向上を検討した。 これらの結果を踏まえて、衣服形状の検討を行い、条件に適応可能な治療用衣服の試作を行った。さらに試作した衣服をマネキンに着用させ、担当医師および放射線技師の方々と形状および材質を含めて検討を行った。照射中に動くと照射位置がずれる危険があり、衣服材料が伸び過ぎず、ある程度患部を固定することが必要となる。この適度な伸びをもつ材料を確保するために、布の構造を変化させた試料について、さらに検討を行った。確認された実験結果を基に、実用に見合った放射線治療時の衣服を完成させることができた。
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Research Products
(5 results)