2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23650470
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
板垣 史郎 弘前大学, 医学部附属病院, 准教授 (00360925)
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Keywords | 大腸がん / バイオマーカー |
Research Abstract |
本研究では,食品機能成分による新規大腸がん抑制遺伝子の機能制御に関する知見を得ることを目指したが,細胞培養環境の差異からか,既報の化合物を用いてもヒト大腸がん由来培養細胞におけるSLC5A8の発現活性化現象が確認できなかった。研究が当初計画どおりに進まなかったため,サブ試験として,大腸がん患者から得られた腫瘍組織を活用した新規抗がん剤耐性因子の探索を行った。 2012年春,個々の患者に最適な抗がん剤を選択するための医療技術である抗がん剤感受性試験が保険診療の対象となった.大腸がんに対する適応を有する抗がん剤を患者に応じて適切に選択していく上で,感受性試験の結果は重要な意味を有する.しかしながら,抗がん剤感受性試験の基本的原理は,手術等により患者から採取したがん組織の一部を各種抗がん剤の存在する条件下で培養し,がん細胞の生存率(死亡率)を測定し,抗がん剤の効果の有無を判定する方法であり,これらの技法には腫瘍組織摘出前の患者への適応が技術上不可能という共通した問題が存在する. 現在のところ,評価を実施できた大腸がん摘出組織は3検体であり,全例において大腸がん治療のkey drugである5-FUについて高い陽性率が得られたが,バイオマーカー候補に関する明確な結果は得られていない。今後症例数を蓄積し,血液中バイオマーカー候補の構造解析等の検討を加えていくことで,大腸がん術前・施術不可患者の抗がん剤選択の最適化に貢献する知見を創出していきたい.
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