2012 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児期のエネルギー消費量の発達的変化の解明と正確な推定方法の開発
Project/Area Number |
23650472
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大森 桂 山形大学, 教育文化学部, 准教授 (50344784)
|
Keywords | 乳幼児 / 身体活動量 / エネルギー消費量 / 二重標識水 / 三次元加速度 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ゴールドスタンダードである二重標識水法を用い、測定が非常に困難な乳幼児を対象にエネルギー消費量を縦断的に実測し、乳幼児期におけるエネルギー消費量の発達的変化を明らかにすることである。さらに、3次元加速度を同時測定し、高額な二重標識水法によらずに、簡便かつ精度よく乳幼児の日常生活におけるエネルギー消費量を推定する方法を開発することである。 2年目のH24年度は、主に次の2つの測定を実施することができた。第一に、幼稚園児13名を対象に、二重標識水法と3次元加速度計法を併用し、夏期(7~8月)と冬期(2月)に身体活動量の実測を行った。各期8日間にわたり3次元加速度計を終日装着してもらい、同一個人の夏期および冬期の日常生活における加速度および歩数の経時的変化や活動強度の分布を明らかにした。更にこれらの数量的データを活動記録の内容と照合することにより、幼児の日常生活における身体活動量の性差や日差等について考究した。二重標識水法により収集したデータについては、現在国立健康・栄養研究所にて分析中である。第二に、前年度に引き続き、被験者の負担が少ないフード法により、幼児および児童の安静時代謝量を約3ヶ月おきに縦断的に測定した。体重あたりの安静時代謝量は、発達が進むにつれて漸減する様子が確認され、更に、生後1ヶ月の乳児の代謝量もフード法による実測ができた。結果の一部については2演題にまとめ、9月の日本家政学会東北・北海道支部大会において報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
保護者および園児の協力を得て、ゴールドスタンダードである二重標識水法によりエネルギー消費量を実測することができた。当初の計画以上の被験者を確保出来たものの、性別および年齢の不均等や加速度計の不具合等があったため、次年度も引き続き被験者を募集し、実測データを増やすことがより望ましいと考えている。また、分析機器の不具合により、二重標識水法により収集したデータの分析は次年度も継続して行う予定である。安静時代謝量の縦断的測定については前年度より引き続き、約3ヶ月おきに実施することができた。なお、測定機器に特に問題もなく、被験者もフードに慣れてきていることから、更なる発達的変化を追うために、次年度も継続して測定したいと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
測定が非常に困難な幼児を対象に二重標識水法による実測をすることができたものの、被験者の性別や年齢に不均等があり、機器の不具合によりデータが収集できなかったケースもあるため、次年度も引き続き被験者を募集し、実測データを可能な限り蓄積する。また、安静時代謝量の縦断的測定についても引き続き実施する。これらの測定を実施すると同時に、集計のまとまった部分については、国内外の学会で発表すると共に、乳幼児の身体活動量の測定方法について情報収集を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
二重標識水法によるエネルギー消費量の実測およびフード法による安静時代謝量の実測を引き続き実施するため、試薬等の消耗品および被験者と測定補助者への謝金が必要となる。国内外での学会発表のための登録料および旅費、データとりまとめのための研究打ち合わせに要する旅費やパソコン用統計ソフト更新料等の支出を予定している。
|