2011 Fiscal Year Research-status Report
食生活リズムの乱れから発症する生活習慣病における小胞体ストレス応答経路の役割
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23650481
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
親泊 政一 徳島大学, 疾患ゲノム研究センター, 教授 (90502534)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 体内時計 / 小胞体ストレス応答 / eIF2αリン酸化 / PERK / 食生活リズム |
Research Abstract |
本研究は、申請者が最近発見したeIF2αリン酸化シグナルによる時計遺伝子の変動を基に、末梢時計同調の新たなメカニズムとしての小胞体からのシグナル制御の可能性を研究し、食生活リズムの乱れから発症する生活習慣病における小胞体ストレス応答経路の役割を明らかにすることが目的である。そこで、平成23年度は、小胞体ストレス応答シグナルを介した摂食による体内時計遺伝子発現調節の解明を主な研究項目とし、マウスを用いた個体解析と細胞等を用いた分子生物学的解析の2つの解析を行った。1.小胞体ストレス応答シグナルを制御できるマウスを用いた個体解析・Fv2E-PERKマウスにAP20187を投与して、投与24時間まで4時間毎に臓器を回収し、体内時計制御因子と代謝酵素の発現変動を解析・定量的RT-PCR法にて体内時計を制御する全20の転写因子の発現を解析・定量的RT-PCR法にて糖代謝と脂質代謝を制御する酵素の発現を解析2.小胞体ストレス応答欠損細胞などを用いた分子生物学的解析・小胞体ストレス応答欠損細胞(Ire1α欠損細胞、ATF6α欠損細胞、PERK欠損細胞)やFv2E-PERK発現細胞に、PER2やBmal1といった時計遺伝子プロモーター下にルシフェラーゼレポーターを組み込んだ体内時計リアルタイム測定系を構築・上記の測定系にて小胞体ストレス誘導剤投与で体内時計制御に関わる小胞体ストレス応答経路を同定(少なくともeIF2αリン酸化シグナルは重要であることは見出している)。・定量的RT-PCR法にて同定した小胞体ストレス応答経路欠損での体内時計を制御因子の発現を解析・ルシフェラーゼアッセイにて、上記解析で絞り込んだ遺伝子のプロモーター領域で応答に関わる領域の同定・ChIP解析にて予測した転写因子の関与を検証し、より詳細な分子機構の解明
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝での末梢時計の新たな同調因子としてeIF2αのリン酸化シグナルが働くことを細胞レベルと個体レベルで見い出せたため。
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Strategy for Future Research Activity |
糖尿病など病態モデルにおけるeIF2αリン酸化シグナルの末梢時計遺伝子同調因子としての意義を検証1. Fv2E-PERKマウスにおいて高脂肪食による肥満モデルとSTZ投与による糖尿病モデルを作製する。2. 作製したマウスにおいて、食事の時間を昼夜逆転するように制限して、AP20187刺激によるeIF2αリン酸化による体内時計と代謝関連遺伝子の変動を定量的RT-PCR法にて解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究消耗品費(試薬・マウス等)
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] 小胞体ストレスと糖尿病
Author(s)
親泊政一
Organizer
第84回日本内分泌学会学術総会(招待講演)
Place of Presentation
神戸国際会議場 (神戸市)
Year and Date
平成23年4月21日