2011 Fiscal Year Research-status Report
食品中全ビタミンB6化合物と貯蔵型B6の新酵素‐HPLC法による解析
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23650483
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
八木 年晴 高知大学, 教育研究部自然科学系, 教授 (90110759)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ビタミンB6 / 食品 / 寿司ネタ |
Research Abstract |
研究代表者が考案した新酵素(4-ピリドキソラクトン転換)‐HPLC法(Do T. V. H. et al (2011) Food & Nutrition Research, 55, 5409-5416) により、鶏肝臓、鶏ささみ、卵黄、卵白、ニボシ、ニンジン、ニンニク中の全ビタミンB6化合物と貯蔵型B6 (ピリドキシン-β-グルコシド) を正確に測定できた。これ等の内でニボシがもっとも多量(総量、143.9 nmol/g) のビタミンB6を含むことが分かった。特に、ピリドキサール5'-リン酸 (113.7 nmol/g)とピリドキサミン5’-リン酸(22.9 nmol/g)を最も多く含有していることが分かった。また、卵黄はピリドキサール5'-リン酸を多く含むが、他の成分と強く結合して存在しているようであった。鶏肝臓が最もピリドキサミンを多く(17.9 nmol/g)含有していた。ピリドキシン-β-グルコシドは植物性食品中でのみ検出された。いずれの食品でも、ビタミンB6の強化に使われるピリドキシンの含有量は他のB6化合物に比べて低かった。寿司ネタ(カツオタタキ、ウナギかば焼き、甘エビ、タコ、サケ、貝柱、タイ、ウニ、イカ、マグロ、ハマチ)中のビタミンB6化合物の含有量を明らかにした。総ビタミンB6含有量はカツオタタキ(65.87 nmol/g)が最も高く、甘エビ(4.84 nmol/g)が最も低かった。カツオタタキはピリドキサミンとピリドキサミン5‘-リン酸の総量も最も高かった。海産で脂肪含有量の高いネタ中のビタミンB6含有量が高いことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
植物性と動物性食品中の全ビタミンB6化合物と貯蔵型B6を正確に測定できるようになった。また、寿司ネタ中にビタミンB6が多く含まれていることが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
乳幼児の栄養に最も重要な母乳中のビタミンB6を分析する必要がある。日本人と米国人の母乳で成分が異なることが報告されているので、早急にこの原因を明らかにする必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度の計画に基づく経費執行について、4月以降に支払いすべき経費が残っているため、次年度使用額が存在するように見えるが、実際には、全額を執行予定である。次年度の研究費は当初の予定に従って、試薬類の購入費として主に使用する予定である。
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