2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23650486
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
三好 規之 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (70438191)
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Keywords | 健康と食生活 / 炎症 / 生活習慣病 / 質量分析 |
Research Abstract |
近年、腸内細菌叢がメタボリック症候群の表現型を決定する重要な因子であることが明らかになりつつある。そこで本研究では、肥満や糖尿病などのメタボリック症候群様症状を示す生活習慣病において、近年重要視されている慢性的な軽度の炎症レベルを評価できるバイオマーカーの探索・同定を目的とし、疾患モデル動物の盲腸、大腸内容物および糞便などに含まれる化合物の分析を行った。 まず、糖尿病マウスKK-Ayとその対照マウス(C57BL/6)を高脂肪食あるいは普通食の自由摂取にて24週間飼育した。各マウス盲腸内容物のアセトニトリル抽出画分をUPLC-TOF/MS分析に供し、得られたMSピークの主成分分析(PCA)を行った。その結果、食餌含有物(高脂肪)の影響というよりはむしろ糖尿病の進行具合に依存した盲腸内容物の成分プロファイルが得られた。また判別分析(OPLS-DA)より、糖尿病群特異的な化合物(MSピーク)の抽出にも成功したが、化合物の同定には至らなかった。 また、食生活の欧米化や、それに伴う炎症と強い関連がある大腸発がんを引き起こす化合物の探索を目的として、大腸発がんリスクの一つである飲酒の影響に注目し、飲酒マウスの糞便分析を行った。ここでは飲酒マウスの腸内細菌が生成する成分のうち炎症や発がん性が指摘されているα-ジカルボニル化合物の網羅的解析を行った。糞便抽出物中のα-ジカルボニル化合物をo-フェニレンジアミンで誘導体化し、GC-EI/MSで分析したところ、特異的な開裂パターンを示すα-ジカルボニル化合物を網羅的に検出することに成功した。検出されたα-ジカルボニル化合物は有意ではないものの、飲酒に依存した量的変動が認められた。
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Research Products
(10 results)