2013 Fiscal Year Annual Research Report
DNAバーコーディング法を応用した外来アリの簡易検出法の開発と環境教育への応用
Project/Area Number |
23650494
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
村上 貴弘 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40374706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 弘樹 株式会社竹中工務店 技術研究所, その他部局等, 研究員 (90416628)
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Keywords | 簡易PCRマシーン / 理科教育 / 環境教育 / アリ |
Research Abstract |
本研究課題において、指導要領に新たに付け加えられた分子生物学的手法であるPCR法の教育手段としての簡易PCRマシンの開発に成功し、高等学校・理科教育センターでの実施も行った。したがって、本事業で計画した内容はすべて期間内に完了することができた。 今年度は共同研究者である竹中工務店宮田弘樹博士が作成した簡易PCRマシンの調整をまずは行った。開発された駆動機関の問題点として(1)熱によるプラスチックの湾曲、(2)湯気によるセンサーの誤作動の2点が問題となった。そこで、直接ウォーターバスに接するサンプルホルダーの部分の材質をコルクに変更することで熱変性の影響を回避した。湯気がセンサーにかからないよう、アルミホイルで覆い、正常に作動するようにした。 プログラムの問題点として、装置の上下運動が制限時間を超えてしまい誤作動を起こす問題が発生したため、プログラムの修正を施し、正常に作動するように変更した。最後にPCR試薬の問題点として、熱による蒸発が発生したが、ミネラルオイルの添加で解決した。 このような改善を施した結果、1台の予算が10万円以下でPCR装置が完成した。性能は30万円台のサーマルサイクラーと遜色ないものが実現できた。この予算を高等学校の教員である札幌大谷高等学校平田真規氏、千葉県立おい浜高等学校佐藤一樹氏、北海道理科教育センターの米根洋一郎氏に問い合わせたところ、高等学校の予算でも十分対応可能であるとのことから教育現場への応用の可能性が確保された。 これらの成果を踏まえ、3月28日に北海道理科研究会で理科教員対象に、11月9日は函館高等教育機関の研究発表会であるアカデミックリンクで高校生対象に、1月10日に北海道理科教育センターで教員対象に、3月7日に札幌大谷高校、23日に千葉県立生浜高校で教員、高校生を対象にPCRの実験講座を開催した。
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