2012 Fiscal Year Research-status Report
最先端研究成果の初等・中等教育への迅速展開システムの開発
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23650499
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
東崎 健一 千葉大学, 教育学部, 教授 (30102031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 正明 千葉大学, 教育学部, 教授 (40396669)
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Keywords | PDL / アウトリーチ活動 / 初等・中等教育 / 教養教育 / 実習教材開発 / 遺伝子工学 / 生命科学 / 理科教育 |
Research Abstract |
研究予算に関してその成果の公表が研究者の社会的責任として示されている。この様な中、研究者はシンポジウムなどの形で自らの研究成果の公開を進めてきた。しかし、現状では成果公表は限定的であり、一般社会への還元という責任を十分に果たしているとは言えない。一方で成果公開のための労力により研究に支障をきたしかねない事態もある。そこで申請者は、大学としてこの様な活動を支援するシステムを構築することが、今後の大学運営にとっても急務であると考えている。このため最先端の研究成果を初等・中等教育に素早く展開するシステムを学内において構築し、実施する方策について開発研究することとした。したがって、本研究の目的は最先端研究成果を「手にとって学べる」学習プログラムへと迅速に開発するための手法の開発である。 今年度申請者らは電子デバイス研究、免疫研究を例にとり社会への還元を目的とするパーソナルディスクラボ(PDL)の開発とその開発過程について研究した。さらにこれら開発したPDLを核とする教育プログラム「ラボon theデスク」を開発した。開発に当たっては中高校生が自ら参加し、一人ひとりが個別に取り組めるように工夫した。また、研究の歴史的背景にも触れ、知の継承に配慮したプログラムとした。これを用いて中高校生を対象とする実験講座を開催し、実際に社会還元の効果について検討した。それぞれのPDLについて生徒数5から20人の参加を得、約3時間の実験講座として実施した。この結果、新たに開発したPDLは中高校生の科学に対する興味関心を引き出す効果があることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究者および協力者らとともに新規に有機EL及び免疫機能解析方法の理解促進用PDLシステムの開発に成功した 。また、このPDLの使用マニュアルの作成、TAの育成などを行った。これらを用いて協力者とともにサイエンススタジオCHIAにおいて講座を実施した。 中高校生を対象とした講座後のアンケート調査では受講生のPDL教材に対する評価は高く、「この受講を通して科学に対する興味がかき立てられた」、「理解が進んだ」との感想が得られた。現在、使用にあたっての課題の解析を行っており、結果のフィードバックも進行中である。これらの成果より当初の計画通り研究が進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのノウハウに基づき当初の計画通り、大学で行われている先端研究(例:生物に関連する蛍光発光等)を中高校生に分かりやすく伝えるための新規PDL開発を目指す。また、それを使用し、学習するためのテキストおよび使用マニュアルな作成を行う。TA養成を行いサイエンススタジオCHIBAにおいて協力者とともに講座を実施する。このとき使用方法、効果に関するデータを収集し、解析する。この結果をフィードバックし、PDL及びその使用方法をブラッシュアップする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新たなPDL改良のための消耗品H23および24年度の成果を生かす形となるようこの発展形を考慮した開発を行う。また、講座開発のためにTA雇用を行い、開発したPDLの教材化と実施プログラム作成およびデータ収集を行う。
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