2012 Fiscal Year Research-status Report
身近な物理現象を安全な機器で体感的に理解させる教員養成系大学の物理学実験の構築
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23650502
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
荒川 悦雄 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10272626)
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Keywords | 物理教育 / 力学 / 電磁気学 / 放射線 |
Research Abstract |
本研究では、教員養成系大学での理科実験、特に、物理学実験においては、理工学部的な専門的実験の要素を含み、かつ小中学校の現場にて即応できる実験教材の開発を目指した。3年間の申請で物理学の主要4分野(力学・波動・電磁気学・原子)について、3つの観点「身近な物理現象を題材」、「安全な民生用機器を活用(教育現場に出たときに即応可能)」、「物理量を体感(視聴覚化を含む)して理解」を基に、小中学高校及び大学教養物理と身近な現象の理解へと接続できる実験教材を開発し教材化を目指している。これらは、いずれも身近な物ないし現象に焦点をあて、教員を目指す学生にとって現場における理科実験の礎になるものにしている。今年度も、社会の情勢から放射線に焦点をあて、(1)自然放射線源の測定、(2)放射線学習の副教材を開発した。前者については、放射線測定器で環境放射線を定常的に観測し自然にはどの程度放射線があるのか、報道される放射線量はどの程度なのかといったことを正しく知ることができるように、教育用放射線測定器「はかるくん」を用いて航空機内、富士山、海洋上で測定した。これらの成果を、学術論文として出版した。次に後者については、前年度作成した放射線教育向けの副教材を使用者の意見を取り込みながら第2版を作成した。力学分野として開発した「高速録画機能付民生用デジタルカメラを用いた吹き矢の運動」の実験を研究成果として国際会議にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数あるテーマを行う順序は変更したが、学会発表、副教材の製作(放射線の軌跡)、研究発表に関する複数回の受賞(副教材の製作)など進捗は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、次年度行えなかった高速録画機能付民生用デジタルカメラを用いた力学の実験開発(吹き矢の運動および泡の粘性係数)についての成果を学術論文にまとめる予定である。電場の測定装置については、現在英文論文の査読中であり受理をめざす。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画通りに実験開発に関する消耗品および謝金に使用する予定である。
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