2012 Fiscal Year Annual Research Report
数学的概念の理解を促すための次世代数理情報教育の研究
Project/Area Number |
23650507
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高橋 真 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (50154860)
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Keywords | 数理情報教育 / ビジュアルプログラミング |
Research Abstract |
本研究はビジュアルプログラミング環境(Etoys, BYOB等)を利用して,学習者が概念理解のための教材を自ら作成しながら学ぶためのシナリオの開発を目的とした。 昨年度は,作成したシナリオを通常教室で学生が使用することを想定し,iPadやAndroidタブレットでEtoysを動作させるための調査を行った。また,シナリオの作成の対象となる分野の選定に着手し,計算論分野およびシステム検証分野におけるシナリオについて考察した。Etoysでは並行性の表現に問題があるため、システム検証分野のシナリオ作成ではBYOBを採用することとした。 本年度は昨年度作成した計算論分野のシナリオを実際の講義でiPadを使用してその効果を検証したが,表現方法に問題があることが判明しその部分を手直しをした。これについてはシステム検証部分のシナリオとあわせ研究期間終了後の平成25年度神戸大学前期授業「計算機数学」においてそのシナリオの効果を検証する予定である。この授業で使用する講義資料はWebページで順次公開をしている。次に,BYOBを利用したシステム検証教育のシナリオ作成を行った。また,Etoys上の幾何図形ソフトDr.Geoを利用した高等学校における数学教育についても研究を行った。Etoys上のDr.Geoは軌跡をとる機能が未実装という不備があるため,その部分を実装する改良を行いWebページで公開をした。このDr.Geoを利用して高等学校の平面図形・曲線分野におけるシナリオ作成を行い,これをもとに神戸大学附属中等高等学校において実験授業が行われた。さらに大学生を対象に平面曲線分野におけるシナリオの模擬授業を実施その効果の検証を行った。本研究は当初の研究計画に比べ準備段階に時間が取られ2年の研究期間内で研究成果の発表ができなかったため今後シナリオの効果の確認を行った上で研究成果の発表を行う予定である。
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Research Products
(4 results)