2012 Fiscal Year Annual Research Report
科学系博物館における聴覚障害者のためのサイエンス・コミュニケーション・デザイン
Project/Area Number |
23650509
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
稲垣 成哲 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠 房子 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (40192025)
生田目 美紀 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (20320624)
|
Keywords | サイエンスコミュニケーション / 科学的リテラシー / ユニバーサルデザイン |
Research Abstract |
平成24年度は,平成23年度の成果を発展させ,科学系博物館において,本格的な実証実験を実施するとともに,2年間の研究成果をまとめた。 1. 科学教育に固有な展示支援・学習支援デザイン指針及び評価手法の精緻化を行った。前年度の成果をまとめるとともに,研究打ち合わせ会議を開催し,分担者と協議を重ねた。 2. 1.を受けて,従来美術館の展示支援向けに開発されていたレーザーを利用した拡張実現感システムを科学系博物館の展示支援・学習支援のために改良した。 3. 実証実験は,平成24年8月に蒲郡市生命の海科学館において実施された。内容は,グジラの骨格標本を題材にして,前記のレーザーを利用した拡張現実感システムによって,画像情報を骨格標本上に提示し,聴覚障害者にもわかりやすい解説を実現するものであった。今回の実証実験では,調査対象は,5歳から中学3年生までの33名の一般来館者であり,すべて健常者であった。評価は,質問紙及び面接で実施された。結果としては,システムの使いやすさ,対象への興味の喚起,思考支援,表現支援などについて,肯定的な評価を得ることができた。今後の課題は,聴覚障害者を対象とした実証実験の実施であったが,これは研究期間内では取り組むことができなかった。 4. 研究成果の公表としては,日本科学教育学会第36回年会において自主課題研究「ユニバーサルデザインを用いた学習環境の現状と課題」を企画・組織し,本研究の成果を発表するとともに,本テーマに関連する研究知見の交流を推進することができた。
|
Research Products
(2 results)