2013 Fiscal Year Annual Research Report
モノづくりの手法を活用した≪数学的活動≫の授業設計
Project/Area Number |
23650519
|
Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
剣持 信幸 佛教大学, 教育学部, 教授 (00033887)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 恭史 佛教大学, 教育学部, 教授 (70309079)
深尾 武史 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (00390469)
|
Keywords | 数学的活動 / モノづくり / 授業設計 |
Research Abstract |
現行の学習指導要領への改訂に伴い、数学では反復学習、数学的活動、数学の創造等が従来にも増して強調されている。そのために、本研究は、これら3つの理念を明確することから始まった。開始直前に東日本は大地震により大被害を受けたが、急遽「大被害からの復興」もテーマに追加した。従来とは異なり「大被害からの復興」は過去のデータに依存するすることなく、数理モデルを構成する事が要求され、ここに数理モデリング学習の新しい側面を見い出すことができた。 学習素材は数理科学理論研究の成果を教材として再構成することを基本とし、研究初年度、まず、数理モデル化学習の立場から≪数学的活動≫に対する基本的考え方を明確にした。「大被害からの復興」をテーマに、課題「被災地における人間生活の活性化と産業・経済復興モデル」等の研究が行われた。 研究2年目に入り、初年度の研究成果から、動機付け、問題理解、数学的アプローチ、実験、問題解決、改良、等の各ステップを≪数学的活動≫として盛り込む授業設計を試みた。理論研究成果の活用は、そこで採用された問題解決の手法(数理の世界における「モノづくり」の手法)の教材化に重点を置いた。授業設計の難しさは、教育現場での実践のみならず、授業者の教材準備段階にもある。多くの場合、予備実践も含め、このような授業設計には、現場の教師個人の枠を遙かに超える負担が伴う。このような授業の推進には、地域としてのまとまった取り組みが必要で、構成された学習教材を地域の教員が共有し利用する事が望ましいことが示唆されている。 研究2年目後半から3年目(最終年度)は、≪数学的活動≫の授業実践を行った。同一内容の授業を高校1年生を対象に3度行い、数理モデル化学習は≪数学的活動≫を主軸した授業に極めて有効であることが検証出来た。この研究成果は実践報告と共に、第6回科学・数学教育国際会議で発表された。
|