2012 Fiscal Year Research-status Report
高校入試問題情報を活用した学力分析システムの開発と有効性の評価
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23650522
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
吉岡 亮衛 国立教育政策研究所, 教育研究情報センター, 総括研究官 (40200951)
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Keywords | 教育学 / 教育工学 / 高校入試問題 / 理科 / 学力 / 学力分析 / 学習指導要領 / 教科書分析 |
Research Abstract |
本研究は、全国の都道府県教育委員会が行なう公立高等学校の入試問題の結果に基づいて、中学卒業レベルの生徒の学力を継続的に分析可能とするシステムを開発するパイロット・スタディーである。また、高校入試は毎年行なわれるため基礎データは継続的に蓄積されていることにより、文科省が行なう全国学力調査と比較可能な情報が得られるものと考える。 本年度は理科について学習指導要領と教科書に基づいた教育内容の分類枠組みを作成した。啓林館の「未来へひろがるサイエンス」を材料として物理・化学・生物・地学の4分野で扱われる科学的内容から、科学概念、概念定義、名詞キーワード、動詞キーワード、分類カテゴリーを抽出した。その結果、学習指導要領の理科の50の内容項目について、総計1,432の定義または説明が含まれており、平均すると一つの内容項目は約29の定義または説明で構成されていることになる。 一方、国立教育政策研究所研究情報データベースに収録されている高校入試問題情報データベースから、問ごとの正答率情報を公表している都道府県の平成15年から平成19年の5年間分の理科の情報を取り出し、小問レベルで上記の分類枠組みへの落し込みを行なった。ただし、正答率を公表している都道府県は33都道府県であり、14府県については分析対象から除外せざるを得なかった。 次年度(最終年度)は、正答率の情報を使って内容平面と時間軸に沿った分析を行なうと共に、他教科の分析への展開可能性を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パイロット的な分析システムの開発を目指しており、最終年度にはシステムの評価に足りる分析結果を産出できるところまで研究が完了していることによる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度で理科に関する分析システムの開発・評価は完了する予定である。分析が完了した時点で学会発表を行いシステムの評価を受けることを計画している。その後は、理科以外の国語・数学・社会・英語についての学力分析システムを開発すべく研究を展開する方策について検討したいと考える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は研究計画最終年度に当たり、これまでの研究成果を学会で発表しレビューを受ける予定にしている。昨年度までの残額については、本年度交付予定額と合わせて、旅費等に充当する予定である。
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