2012 Fiscal Year Annual Research Report
数学におけるアルゴリズム理解のための直観的入力手法による支援システム開発
Project/Area Number |
23650523
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
安野 史子 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター 基礎研究部, 総括研究官 (00370081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 洋 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (30242788)
黒田 覚 群馬県立女子大学, 文学部, 准教授 (30300586)
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Keywords | 科学教育 |
Research Abstract |
アルゴリズムは,コンピュータを使ってある特定の目的を達成するための処理手順であるばかりでなく,数学などにおいて,問題を解くための効率的手順を定式化した形で表現したものである。したがって,アルゴリズムの理解は,平成21 年告示の高等学校学習指導要領の数学の目標に示されている「数学的活動を通して,数学における基本的な概念や原理・法則の体系的な理解」を深めるためや,「事象を数学的に考察し表現する能力」を高めるために,非常に重要なことである。一方,情報技術の面では,近年,高解像度のマルチタッチ画面が急速に普及しており,従来の同時に一ヶ所だけの入力ということに縛られないツールの開発が可能となった。そこで,本研究課題では,複数のポイントに指などで同時に触れて直観的入力ができるマルチタッチ機能の利点を生かし,アルゴリズム理解のための視覚的表現を支援するツールの開発を行うことを目指した。 具体的には,以下(1)~(6) の手法を具備したチューリングマシン(計算を行う機械のモデル)の仕組みについての理解を支援するシステムの開発を行い,それを用いて大学生を対象にした実証実験を実施し,その学習効果及び有効性の検討を行った結果,その有効性が示せた。 (1) ツールパレット及び読み書き可能な左右に動くヘッドがついた無限に長いテープ(下部)を具備し,画面上に状態遷移図をデザインすることが可能 (2)指での直観的な入力が可能 (3)画面に複数人が触れて共同作業が可能 (4)移動や回転,ズームなどの動きを直感的に入力可能 (5)試行錯誤しながら経験的な学習を通して数学的活動を支援できる (6)学習者が作成したプログラムをメール添付機能にて即座に指導者に配信可能
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Research Products
(2 results)